Pixel 8リリース!・・Googleの価格戦略の見直しとPixel 8ポジショニング(対iPhone15)に関しての考察・・おまけにAndroid 14アップグレード・・


米国時間10月4日にGoogleはPixel 8シリーズの発表とPixel 4a(5G)以降のAndroid 14へのアップグレードを開始しました。合わせてGoogle Pixel 8シリーズの価格も発表。今回は、円/ドルコンバージョンRateによる国内googleにおけるPixel 8の販売戦略の見直しとポジショニング(対iPhone 15)に関して考察してみます。 

Pixel 8及びiPhone 15のスペック的な話題についてはここでは触れませんが、この2機種についてはご存じの通り、拮抗する機能性を持ち合わせている事は確かです。

さて、今までのGoogleのPixel販売戦略として、圧倒的なコストパフォーマンスによるスマートフォン日本国内市場のシェアーを上げる事に注力してきました。一方Appleは国内シェアー50%以上を誇る巨人であり、円安の状況から大幅な値上げに踏み切り、結果、国内シェアーは46%にまで落ち込みました。半面Pixelに関しては、前年度比6倍の12%まで国内シェアーを引き上げています。この大きな牽引力となったのは低価格帯でのPixel 6a、Pixel 7aの存在です。それぞれハイエンド並みのCPUを搭載しているのにも関わらず、5万~6万円程度の非常に高いコストパフォーマンスを持っていた事が、この前年度比国内シェアー6倍という結果につながったものと思います。

Pixel 6aのコストパフォーマンスに関しては・・

https://www.linux-setting.tokyo/2022/07/google-pixel-6agoogle.html

に掲載していますが、当時、円/ドルrateが、概ね130円/ドルであった時に、109円/ドルというコンバージョンrateを設定し、儲けど返しの円価設定を行っていましたが、これは、Pixel 8がリリースされるまでは、他のPixelシリーズの円価設定においても考え方として踏襲されてきました。

さて、今回のPixel 8シリーズはどうなったのか・・この辺りをiPhone 15と比較しながら投稿を進めていきます。

1.Pixel 8 128GB v.s. iPhone 15 128GB:価格&コンバージョンRate


現在の円/ドル為替rateは・・149.40 円/ドル(TTS:円→ドル)となっています。

上記表を見てもわかるように、Googleは大幅な、コンバージョンRateの引き上げを行っており、Pixel 8については。実利益が上がるような適正円価格に設定されています。ただし、iPhone 15のAppleコンバージョンRateは、5円近くも低く抑えられており、ドル価格がPixel 8と比較し100ドル高いのにも関わらず、Pixel 8との価格差は、12,000円程度に収まっています。Pixel 8 128GBの価格は、Pixel 7 128GBの価格から3万円程度引き上げられており、当時のiPhone 14 128GBとPixel 7 128GBの価格差は4万円~5万円程度あった事を考えると、iPhone 15 128GBを購入せずにPixel 8 128GBを購入するメリットは価格の側面から言えば大幅に低下したという事になります。

2.Pixel 8購入キャンペーンと現行iPhone下取り価格

Pixel 8予約購入キャンペーンとしてGoogle storeクレジットの提供が主要なものとしてあります。Pixel 8予約購入時は、3万円のstoreクレジットが、Pixel 8 pro予約購入時には、5万円のstoreクレジットが提供されます。ただし、本クレジットは、今後Google製品を購入する際に使用できるクレジットであり、Pixel 8及びPixel 8Pro購入時の金額には影響を与えません。いわゆるGoogleの囲い込み戦略の一つであり、例えばGoogle Buds Proを今後購入する時に使用してね・・って事になります。現行のGoogle Buds Proは、28,200円ですが、Pixel 8を予約・購入後、Google storeからGoogle Buds Proは無料で手に入るという事を意味します。Pixel 6aの予約購入時には、Google Budsがもれなくついてくるという現物キャンペーンが付いてきましたが、今回は、自分の好きなものをクレジットの金額の範囲内でGoogle storeから選んでねという、よりユーザよりのキャンペーンに変化しています。

次にPixel 8の購入時のiPhone下取り価格を簡単に見ていきます。

Pixel 8 128GBを予約購入時に筆者のiPhone 12 mini 128GBを下取りに出す際の価格は・・。


iPhone 12 mini 128GBの下取り価格は、29,724円であり、Pixel 8 128GB予約購入時の総支払い金額は、83,176円となります。

次にiPhone 15 128GB購入時に、筆者のiPhone 12 mini 128GBを下取りに出す際のiPhone 15の価格を見てみます。


iPhone 12 mini 128GBの下取り価格は3万円を超えており、iPhone 15 128GBの総支払い金額は、92,800円となります。

あくまでもiPhone 12 mini 128GBの下取り価格ではありますが、今まで、GoogleによるiPhoneの下取り価格は、Appleと同等かAppleよりも有利だったのですが、今回は逆転しており、その分、iPhone 15 128GBとPixel 8 128GBの価格差は縮まり、1万円を切って9,000円程度となっている事がわかります。

本来ならば、自社のスマートフォンの下取り価格の方が他社のスマートフォンの下取り価格よりも有利にする事が一般的ですが、国内において、Googleはあえて、iPhoneの下取り価格をAppleと同等か有利にし、iPhoneからPixelへの移行を促してきたように見受けられます。

Pixel 8購入時のiPhone下取り価格を見ると、やはり高額である事は確かですが、Appleよりも有利にという考え方は、全てでは無いにしても見直したようです。

3.考察

GoogleがPixel 8シリーズの価格を適正化した事により、対iPhoneについては、圧倒的なコストパフォーマンスをもって対抗するという時代は終わり、同一価格帯での機能性&使い勝手&サービスによる真っ向勝負という形態に移行したようです。Pixel 8はiPhone 15、Pixel 8 ProはiPhone 15 Proと競合させ、シェアーを競い合うという構図は、果たして吉と出るか凶と出るかわかりません(Googleにおいて、iPhone 15 Pro Maxは価格帯から見ればPixel 8 Proの競合というポジショニングは行っていないように見受けられます)。

いずれにしてもiPhone 15と比較した場合、Pixel 8は価格的なメリットがあまりありませんので、ユーザーがどちらの機能性・サービスに興味を持ち購入を決めるかにかかっています。Googleにとっては、本価格帯について、これからが勝負所という事になります。

別の視点から言えば、日本国内でのスマートフォンの売れ筋はやはり8万円以下の低価格帯に集約されていますので実質的なシェアーについては、今後のPixel aシリーズと、iPhone SEシリーズの出来と価格次第という事になってくるものと考えられます。 現行のiPhone SEとPixel 7aに関しては、機能面・価格面双方についてPixel 7aに軍配があがりますので、次期iPhone SEがリリースされるまでは、低価格帯におけるGoogleの優位性はそのままという事になるでしょう。

4.最後に・・Andoroid 14 アップグレードに関して

筆者のPixel 6aにも10月5日にAndroid 14アップグレードが降りてきました。簡単にスクリーンショットのみのご紹介。








コメント