モバイル系 Thinkpad T480s のデュアルSSD化に挑む(1) ~ WWANカードスロットに適合するm.2 2242 NVMe SSDはあるのか?


さて今回は、ちょっと毛色の違う投稿となります。以前、Thinkpad X250の改造に関して投稿しましたが、X250を諸般の事情により手放さざるをえなくなって、致し方なく、購入を決意。で、候補に挙がったのが、在庫一掃整理中だったモバイル系Thinkpad・・T480s。重量が1.3kgちょいなので、持ち運びは問題なし。用途は、プレゼン作成・修正、ホームページアップデート、規程作成&チェック等仕事主体・・。
で・・最終的な構成は以下みたいにしてみました(ただし、Lenovoのサイトでは既にT480sの在庫一斉セールが完了してしまっていますので、現在は流通在庫しかないと考えられます)。

CPU: i5-8250u (第8世代Intel Core i5:この世代のcore i5からコア数が2→4、同時実行可能スレッド数4→8となり、Core i5の性能値がジャンプアップしています。)
Memory: 16GB(8GBx2)
NVMe M.2 2280 SSD: 512GB
Graphics:Intel UHD 620
WWAN-enable
カメラ
指紋認証
キーボードバックライト
等・・

ただし、できれば加えてThinkpad X250と同様デュアルSSD構成にしたい・・。シングルストレージでのマルチブートはもうやりたくないって事で。無論追加SSDはLinux検証&自分用Linux用途となります。


基本的に新しめのモバイル系Thinkpad(T480s,T490s,X390、X1 Carbon等)の場合、デュアルSSD構成の成功事例は皆無に近い状況です。全て同様な原因に起因しているとは思うのですが、今回は、デュアルSSD化に挑むT480sケースに絞って原因を説明します。。

1)Thinkpad T480sをデュアルSSD構成とするには、WWANカードスロットをSSDインターフェースとして使います。T480sの場合はWWANカード自体を購入しなくても、WWANカードスロットがenableになっているモデルを購入できますので、安く上げたいならこれを購入時選択します。さてこの際WWANカードスロットに適合するSSDは、m.2 2242フォームのNVMeタイプであり、開発・販売しているメーカーの数が極めて少ないという問題があります(X250の場合はm.2 2242フォームのSATA SSDであり、まだこちらの方が数が多いです。T480sのWWANカードスロットのインターフェース仕様では、残念ながら、m.2 2242 SATA SSDは使えません)。

2)Thinkpad T480sに適合するNVMe SSDにはもう一つ条件があります。
すなわち片面実装タイプのm.2 2242 NVMe SSDが必要です。そうでない場合、SSDの裏面の基盤あるいはコンデンサーが邪魔になり装着できません(装着できたとしてもSSDの基盤や、T480s側のインタフェースに負荷がかかるためお勧めできません)。例えば以下は両面実装であるため、T480sには向きません。
表側
裏側・・上部が盛り上がっており(両面実装)、装着には向きません

1)、2)の要件を満たすm.2 2242 NVMe SSDは、探すのに困難を極めましたが。。諦めそうになった時・・国内で流通していないものの、Toshiba Americaが発売するOCZ-RC100がスペック上、適合しそうだって事に行き着き・・U.S.から購入してみました(Linuxインストール・検証用ですので容量はそう必要ありません。このため今回は120GB版を購入しています)。実際の写真は以下の通り。
箱はこんな感じ・・

表面:実装されています。
裏面:実装されていません。
で・・・これをThinkpad T480sに装着して検証する事にしたわけです。。

1.Thinkpad T480sへ、m.2 2242 NVMe 片面実装SSD(Toshiba OCR RC 100)を装着する手順

1)Biosで内蔵バッテリーをOFFにする→感電等の事故を防ぐためです(必須)


2)裏蓋のねじの取り外し

赤で囲っている箇所のネジを取り外します・・といってもネジ自体の取り外しはできなくなっているため、裏蓋が取り外せるよう、緩めるという表現の方がよいかもしれません。

3)裏蓋の取り外し

いつもながら、裏蓋は爪で固定されているため、難易度が高いところです。ギターのピック等をヒンジ側の裏蓋と本体の間の隙間に入れ隙間にそってゆっくり移動させ丁寧に裏蓋の爪の噛み合わせを取り外していきます。

で無事、裏蓋を取り外すとこんな感じ。
さすがにバッテリーの占める割合はかなりのものです。
m.2 2242 NVMe 片面実装SSD(Toshiba OCR RC 100)の装着場所は、赤い四角で囲った箇所です。

4)m.2 2242 NVMe 片面実装SSD(Toshiba OCR RC 100)の装着

 ↓
ちゃんと装着できて安堵(笑・・
2.SSD認識検証

とりあえずm.2 2242 NVMe 片面実装SSD(Toshiba OCR RC 100)をZドライブとして認識させてみると・・。

T480sのデュアルSSD化に成功です・・。

3.性能面の問題

メインのNVMe 2280 512GB SSDは"x4"、WWANカードスロットに装着したNVMe 2242 120GB SSDは"x1”の動作となりますので、ここは注意が必要です。ただ、通常使用の場面、大きな差は感じられません。

4.最後に

次は、Windows10とLinuxのマルチブート化って事になりますが、512GB NVMe SSDの方は無論Windows10用とし、120GB NVMe SSDの方はLinux用といったマルチブート環境にします(詳細は後に投稿します)。

尚、当たり前ですが、今回投稿した作業を実施すると、メーカーからのサポートがなくなります。したがってメーカーからのサポートがなくなる事実や、今回投稿した作業内容及びその結果に関し、誰も責任をとれない事に注意ください。無論当方も一切責任は取りません。おやりになる場合は全て自己責任で・・という事になります。
Windows 10 on Thinkpad T480s/multi boot
Debian 10.1 LXDE edition on Thinkpad T480s/multi boot

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