Linux Mint 20.1 "Ulyana" 〜Web Apps、IPTV・・Cinnamon editionにて主要エンハンス項目を検証する!・・

Linux Mint 20.1 "Ulyana"・・例年ならば昨年末までにリリースされるだろうと考えていた20.1ですが、若干遅れたものの、Cinnamon、Mate、Xfce各editionの同時リリースです。

Mintに関しては、ここ数年、”筆者の勝手なLinuxランキング”で常に1位、2位を競っていたUbuntu LTS baseで、筆者的には、安定性、機能性、平易性、軽快性の面で抜群の評価をしています。より軽快な挙動が必要な場合はMate、Xfce各editionを、デスクトップの機能性を重視する場合は、Cinnamon editionを選択します。

CinnamonはLinux MintのためにLinux Mint開発チームが開発、メンテナンスを継続しており、Linux Mintに対し、最も最適化されているデスクトップ環境となります。

今回は、最新Linux Mint 20.1 "Ulyama" Cinnamon editionを実際に使って、主要エンハンス項目・・・特にWeb Apps及びIPTV機能を検証していきます。


1.概要

1)ベース:Ubuntu 20.04.1 LTS

2)デスクトップ環境:Cinnamon 4.8.5

3)カーネル:Linux Kernel 5.4 or Linux Kernel 5.8

4)インストールメディア入手先

① Cinnamon edition

  ・Kernel 5.8版http://mirrors.evowise.com/linuxmint/stable/20.1/linuxmint-20.1-cinnamon-64bit-edge.iso
  ・Kernel 5.4版http://mirrors.evowise.com/linuxmint/stable/20.1/linuxmint-20.1-cinnamon-64bit.iso

② Mate edition → http://mirrors.evowise.com/linuxmint/stable/20.1/linuxmint-20.1-mate-64bit.iso

③ Xfce edition → http://mirrors.evowise.com/linuxmint/stable/20.1/linuxmint-20.1-xfce-64bit.iso

Kernel 5.8版は、Cinnamon editionのみに存在します。

2.インストール、初期設定、基本設定

Linux Mint 20 "Ulyama" Cinnamon editionの投稿内容と同等となりますので以下リンクを参照ください。

https://www.linux-setting.tokyo/2020/06/linux-mint-20-ulyana-cinnamon-edition.html

3.主要エンハンス項目に関して

Linux Mint 20.1 Cinnamon editionではCinnamon 4.8.5を含む多数の機能改善、エンハンスが行われています。flatpakサポートの向上・改善、印刷・読み取り(スキャン)機能性の改善、Xappsの改善等多岐に渡ります。ここでは、目立つもの(笑)・・・特にWeb Apps及びHypnotix(IPTV)に関して検証していきます。

1)Web Apps

機能面では、Peppermint OSのice ssb managerと同等のWeb Appsですが、これがベーター版から正式リリース版となり、pre-installされました。オンラインアプリケーションをローカルアプリケーションの外観でローカルアプリケーションのように操作可能とするインターネット時代のツールとなります。


Web Appsは、Linux Mint Teamと、Peppermint Teamの共同開発となっていますが、Ubuntu 20.04 LTSベースのPeppermint 11が未だリリースされていないため、Ubuntu 20.04 LTSベースを正式サポートするice ssb managerは現時点で存在していません。今の所、本Web Apps のみが、Ubuntu 20.04 LTS系列でice ssb mangerと同等機能を提供する唯一のツールとなっています。

試しにMS Word OnlineをブラウザーFirefox指定で定義して見ましたが・・・Word Onlineは、下記スクリーンショットのように、外観は、Firefoxのアドレスバー等が隠され、ローカルアプリケーションと同等です。また、fcitx-mozcによる日本語入力も全く問題ありません。


また、ice ssb managerでは、word online、excel online、powerpoint onlineやgoogle calendar定義の際に使用するアイコン群は自分で準備しなければなりませんでしたが、これら主要アイコン群はMint上にpre-installされているため、Web Apps定義では別途準備する必要がなくなっています。

MS Office系アイコン

Google系アイコン

Netflixアイコン

無論、Web Appsで定義したWord onlineはCinnamonメニューから起動可能です。

また、Web Apps アプリ定義一覧からも起動可能です。

ice ssb managerと比較すると、Web Appsはインタフェースがブラッシュアップされ、操作性が大幅に向上した結果、わかりやすくなった点が◎です。

尚、Google Chromeを別途インストールした後、Chrome指定でWord OnlineをWeb Apps定義し、Onedrive上の既存ドキュメントを開くと、やはり、アドレスバー等が表示され、Webブラウザ経由で、Word onlineを使っている事が分かってしまいます。新規文章作成時にはこのような現象は起きません。

Firefox指定で、Word onlineをWeb Apps定義した場合は、タイトルバーに"Firefox"が表示されますが、アドレスバー等は表示されないため(既存文書の更新時でも)、ローカルアプリケーション感は、Firefoxを使ったほうが高くなります。Office online(Microsoft Online)をWeb Apps定義する場合、今のところ、ChromeよりもFirefoxを使った方が無難です。

2)Hypnotix(IPTV)

いわゆる、インターネットTVアプリケーション(M3U Palyer)となります。


当たり前ですが、VOD等は事前登録されておらず、自分で定義してねって事になっています。

Free TVチャネルに関しては、現時点で全世界2924程チャネル登録されており・・


日本国内のFree TVチャネルもいくつか登録されていて日本語での視聴が可能となっています。


海外チャネルのドラマも視聴できますが無論日本語ではありません。また流石に海外チャネルは動画が”かくかく”になる事も多く・・。外国語学習って事であれば良いかもしれませんが・・。


4.評価(Cinnamon edition)

安定性:A、機能性:S、設定の平易性:A、軽快性:A-

となります。

ようやく、Web Appsが正式サポートされ、オンラインアプリケーションアクセスに関してもスキ無しの状況となったLinux Mint 20.1 Cinnamon edition。またIPTV機能の追加により、エンターテーメントにもそっと手を出した節があります(笑。

Linux Mintは、使っていて安心感が半端なく、例年、全評価項目に対し、かなりレベルの高いAクラス評価をつける事が多くなっています。Mint 20.1 Cinnamon editionに関しては、Mint 20.1のDEの中では機能性が高い反面、重い部類に入りますが、Cinnamon 4.8.5になってこれも若干改善されています。また5年以内にリリースされたcore i3以上のマシンであれば、軽快性に問題が生じる事はまず無いものと思います。

Linux Mint 20.1 Cinnamon edition・・間違いなく筆者いち押しの一本となります!。


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