Linux Mint 20 "Ulyana" Mate・Xfce edition 〜Ubuntu 20.04 LTSベース Linux Mint 20 Mate・Xfce 各 Editionを検証する!

Mate edition

Xfce edition

現在、Ubuntu baseのLinux Mintには、Mintのために開発されたCinammonデスクトップ環境を有するCinnamon editionの他、Mateデスクトップ環境を有するMate edition、Xfceデスクトップ環境を有するXfce editionが存在します(他にCinnamonデスクトップ環境を有するDebian base Linux Mint:LMDEがあります)。

Cinnamon editionはリッチデスクトップ環境を提供し、デスクトップ全体に関わる機能性を追加する拡張機能、デスクトップにWidgetを追加するデスクレット、パネルに機能性を追加するアプレット等様々な機能性を有しており、ある程度のマシンパワー(と言っても5年程度前に登場したCore i3以上のCPUを搭載するマシンならば過不足なく動作します)が必要ですが、Mate、Xfce各editionは、login直後の消費メモリーが、500MB台と軽量なため、非力なマシンでも動作可能となっています。

Linux Mintの特筆すべき所は、これら3つのEditionのインストール及び初期設定部分の操作性が、インターフェースを含め共通化されている点で、同じ特徴を持っているものとして、他のDistirbutionでは、Manjaro Gnome/KDE/Xfce 各editionがかなり類似しています。

流石に基本設定部分については、各デスクトップ環境の差がありますので、同一というわけではありませんが、それでもかなり似せた作りとなっており、このあたりは他の追従を許しません。

Linux Mintが長年に渡って確固たる人気を誇っているのは、以上のような共通化という特徴に加え、十分なpre-installアプリケーション、管理機能を備え、バージョンアップの都度、地道な改善が施されている所に理由があり、何よりも利用にあたって安心感がある点が大きいものと思います。

前回、Ubuntu 20.04 LTSベースのLinux Mint 20 Cinnamon editionに関して投稿しましたが、今回は残りの2つのEdition・・Linux Mint 20 Mate editionとLinux Mint 20 Xfce editionに関してまとめて投稿していきます。

本投稿では、概ねLinux Mint 20 Cinnamon editionとの違いのみを記載します。このため、必ず、Cinnamon editionの本ブログ記事を参照しながら設定を進めてください。

1.概要

1)Mate edition→Mate version:1.24(最新バージョンとなります)

2)Xfce edition→Xfce version : 4.14(最新バージョンとなります)

2.インストール

Linux Mint 20 Cinnamon editionと同一です。

3.初期設定

Linux Mint 20 Cinnamon editionでは、”パネルのレイアウト”設定がありましたが、これはCinnamon edition固有ですので、Mate edition、Xfce editionの初期設定項目には含まれません。他の設定項目は、Linux Mint 20 Cinnamon editonと全く同一内容となります。

他、Mint 20 使用後、Windowsを使用すると、Windowsの時刻がずれますが、この対処もLinux Mint 20 Cinnamon editionと同一です。

初期設定完了後、普通に使う分には両Edition共に全く困らない環境となります。

4.日本語化残処理

日本語化残処理として特に追加で行う設定事項はありません。Linux Mint 20 Mate edition,Linux Mint 20 Xfce edition共に、アプリケーション等の日本語化、及びfcitx-mozcによる日本語入力環境はインストールの段階で、設定は完了します。

他、アプリケーション個々のデフォルトフォントの設定は、Linux Mint 20 Cinnamon editionの設定内容と同一です。システムデフォルトフォントの設定に関しては以下の通り。

1)Mate edition

コントロールセンター→外観の設定→フォントタグから



2)Xfce edition

設定マネージャー→外観→フォントタグから



5.基本設定

Firefoxの検索エンジンの変更に関しては、Linux Mint 20 Cinnamon editionの設定内容と同一です。

1)Mate edition

基本設定に関しては、特にありません。

ただし、一般的に、Mateには、さらに細かい設定が可能な、Mate tweakがインストール&使用可能となっていますが。Linux Mint 20 Mate editionでは、これが若干カスタマイズされており、コントロールセンターに含まれる”デスクトップの設定”により、Mate tweakと同等な機能性が提供されています。




2)Xfce edition

①ツールチップの形式の変更

パネルの時刻表示箇所のツールチップの表示形式が欧米風の並びとなっているため、これを日本語風の並びに変更します。

これはパネルの時刻表示上でマウス右ボタンクリックにより表示されるメニューから、プロパティを選択して設定します。


ツールチップの形式を上記のように変更

②マウスホイールを使って、仮想デスクトップを切り替える

設定マネージャー→ウィンドウマネージャー(詳細)→ワークスペースタグから


③コンポジット処理の変更

Plankをドックとして使用するとデフォルトでは、影として妙な線がデスクトップに表示されてしまいます。このため、ドックウィンドウに影を落とさないように設定変更します。

これは、設定マネージャー→ウィンドウマネージャー(詳細)→コンポジット処理から


④ドロップダウンターミナルの設定(オプション)

Xfce4のドロップダウンターミナル設定を行います。
これは、設定マネージャー→キーボード→アプリケーションショートカットキータグからショートカットを定義します。

追加ボタンを押下し、上記のようにショートカットのコマンドを
定義した後、OKボタンを押下します

F12キーを押下

以上でF12キーを押下すると、ドロップダウンターミナルが起動します。

6.評価

Linux Mint 20 Mate edition、Xfce editionの評価は、

軽快性:A、機能性:A、インストール→初期設定→日本語化残処理→基本設定の平易性:A、安定性:A

となります。

ちなみにlogin直後のMate edition及び、Xfce editionそれぞれのメモリー消費量は以下の通りとなります。
Mate edition

Xfce edition


Xfce editionが558 MB、Mate editionが579 MB・・ほぼ互角ですが、Xfce editionの方が若干メモリー消費量は低い結果となっています。双方とも優秀な結果。。。

Cinnamon editionが持つSランクの機能性よりも軽快な動作・挙動が必要ならば、Mate editionか、Xfce editionを選択・・という事になりますが、どちらを選ぶかは好みの問題となってくるでしょう。

Ubuntu baseのLinux distributionの中で、これほど全体のバランスの取れたものはMint以外、不在のような気がします。他、ice ssb managerを搭載するPeppermint OSが、ネットサービスをローカルアプリケーションのように取り扱えるという観点で、筆者の評価は極めて高いのですが、総合力から言えば、Mintの方が上です。

今回、デスクトップ全体の色調を変えられる設定が全editionの初期設定(はじめに)の中に追加されましたが、これにより、緑基調のデスクトップを他の色に変えられる事から、緑色が嫌い・・と言う方にも対応しました。実はこれってとっても大事(笑。

また約10年前にLinux Mint 6に搭載されていたGiverに類する機能性が、Warpinatorという別サービスでよみがえってきた点も面白いと思っています。

前回、Linux Mint 20 Cinnamon editionに関して投稿し、今回、Mate edition、Xfce editionに関して投稿しましたが、全edition通して、すきがなく、どのeditionを選択しても満足の得られる作りとなっています。

と・・いう事で、Mate edition、Xfce editionに関しても、Cinnamon editionと同様、筆者一押し、おススメの2本となります!。

注意)本投稿記事内で使用している冒頭、末尾のスクリーンショットはカスタマイズ後のものとなっています。このため、オリジナルのデスクトップとは異なりますので注意ください。

Xfce edition

Mate edition

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