Linux Mint 19.3 "Tricia" Cinnamon edition 〜Ubuntu 18.04.3ベース+HWE適用+最新Cinnamonを搭載する鉄板Ubuntu ベース!


Linux Mint 19.3 "Tricia" Cinnamon/Mate/Xfce edition・・公約通り、クリスマス直前のリリースとなりました。Ubuntuベースの中では鉄板のDistributionであり、日本国内はもとより、全世界的にも人気の高いDistributionです。
Linux Mintの人気の高さの所以は、安定性、機能性、軽快性、インストール&セッティングの平易性のバランスが最も取れており、初心者から上級者に至るまで、使う人を選ばない優れたデスクトップ環境を提供しているためです。また、Manjaroも同じですが、異なるデスクトップ環境であっても、インストール及び初期設定の内容・流れが同じである点は特筆すべき特徴となっています。

ほぼ5ヶ月後に迫ったUbuntu 20.04 LTS・・次期Ubuntu 長期サポートバージョンのリリースに備え、ベースラインは、Ubuntu 18.04.3 LTS+HWE適用となり、次期Linux Mint 20へのアップグレードパスを念頭においた構成を取ってきました。更にLinux Mintのために開発されたメインデスクトップ環境であるCinnamonも最新の4.4.5を採用し、デスクトップ機能性も更にブラッシュアップされています。

今回は、Linux Mintの最新版Linux Mint 19.3 "Tricia"のうち、Mintのメインデスクトップ環境:Cinnamonを有するLinux Mint 19.3 Cinnamon editionを取り上げます。


1.概要

1)ベース:Ubuntu 18.04.3 LTS(HWE適用済み)

2)デスクトップ環境:Cinnamon 4.4.5(最新)

3)カーネル:5.0.0-37-generic

2.インストール(GPT/UEFIケース)
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なお、いつものように本体及びブートローダーのインストール先は環境依存になるため、参考になりません。

3.初期設定

初期設定は、インストール→再起動後に表示される初期設定メニューから行います。
初期設定メニューの”はじめに”を選択すると、初期設定が行えます。

初期設定で行える項目は上記のスクリーンショットの通り。簡単に以下に。。

1)システムスナップショット

TimeShiftを使ったスナップショット(バックアップ)の設定となります。これは、何か問題が発生した時簡単にバックアップから戻せる仕組みを提供しますので、やっておいた方が良い設定内容です。

2)ドライバーマネージャ

Nvidia等を搭載したHWを使用している場合は必須。。

3)アップデートマネージャ

これは必須設定・実行項目です。
OKボタンを押下
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”近くのローカルミラーに切り替えますか?”→”はい”を押下
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国内ミラーサーバを選択(メイン→Mint、ベース→Ubuntu LTS)
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国内ミラーサーバを選択後OKボタンを押下→処理終了後、ソフトウエアソースのWindowを閉じる
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”アップデートをインストール”ボタンを押下
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4)デスクトップレイアウト


”トラディショナル”選択時のパネル

”モダン”選択時のパネル

5)ソフトウエアマネージャ

いわゆるソフトウエアセンター→アプリケーション等のインストールが必要な場合に。。

6)ファイアウォール

Firewallの設定・起動・・Firewallを必要とする場合に。。
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以上で初期設定は完了します。

日本語指定でインストールすれば、メニュー等の日本語化、日本語input method(fcitx-mozc)のインストール・設定は完了している超楽ちんタイプDistributionです。


Linux Mint 19.3より、GIMPがpre-installアプリから外され、新たに”Drawing"が搭載されていますが、これは日本語メッセージカタログが存在しないため日本語化ができません。


"Drawing"は適度な機能性を有していますが、筆者はGIMPの機能性が必要なため、GIMPをインストールして使用してます(バージョンは2.8です)。

takao gothicフォントはpre-install対象ではありませんが、Mint使用中にシステムレポート機能により、takao gothicのインストールを促してくれますので、ここで”続行ボタン”を押下すればインストールされます。

4.基本設定

1)オンラインアカウントの登録

pre-installされるカレンダーとGoogle calendarとの同期を図る・・という事が必要ならば、”設定”→”オンラインアカウント”からオンラインアカウントの登録を行います。
 筆者はgoogleアカウントを登録・・

2)外観の変更

”システム設定”→”テーマ”から・・必要に応じて。
とにかく緑配色を撲滅する感じのテーマ変更は以下のような感じで・・(笑。
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3)システムフォントの変更

”システム設定”→”フォントの選択”から・・必要に応じて。
筆者はpre-installされているnoto sans cjk jpフォントに変更。
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アプリケーションによっては上記が反映されませんので、その際は、アプリケーション単位でフォント設定が必要になります。

4)Firefoxの検索エンジンの変更

デフォルトの検索エンジンはDuckDuckGoなので、必要に応じて検索エンジンを変えます。筆者はGoogle・・。これはFirefoxの設定から。。
上記処理を行う前に、FirefoxにてGoogleを検索エンジンとして追加する必要があります。

5)拡張機能

筆者は、拡張機能としてWatermarkとTransparent panelsを追加・設定しています。Watermarkは、壁紙にLogoを表示、Transparent panelsは、パネルを完全透過させます。

これは、”システム設定”→”拡張機能から”(事前に”ダウンロード”タグから該当拡張機能をダウンロードし、以下スクリーンショット上で拡張機能を選択した上で、”+”ボタンを押下すればデスクトップ上に追加できます)

6)デスクレットの設定

筆者は、デスクトップに表示させるデスクレットとして、Analog  Chronometer、CPU Load、Disk Space、Weather Deskletを追加・設定しています。やり方は、5)拡張機能と同じ・・。”システム設定”→”デスクレット”から。。


7)パネルへのアプレットの追加

いわゆるパネルアイテムの追加機能となります。
筆者はゴミ箱等を追加設定しています。追加・設定は、”システム設定”→”アプレット”から。追加・設定は、5)拡張機能のやり方と同じ。。


ちなみに5)、6)、7)の各設定内容に関しては、上記各スクリーンショットの各アイテムの右端にある歯車アイコンを押下すれば変更できます。


5.評価


機能性:A、インストール/初期・基本設定の平易性:A、日本語化残処理の平易性:S、安定性:A、軽快性:B+

となります。

細かい箇所までの設定に関しては、中級者以上向きですが、インストールするだけで、日本語化残処理は不要のため、基本機能は問題なく使える環境となります。こういう意味では日本語指定でインストールするだけで初心者でも十分使える環境に仕上がっていると言えます。

軽快性は、Cinnamon自体の機能性が極めて高い事もあり、Gnome 3.3xと同等程度。login直後の消費メモリーは800MB前半となりますが、機能性の割には頑張っていると思います。

間違いなく、万人におすすめできる筆者一押しのDistributionとなります!


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