Manjaro 18.1.2 Gnome edition 〜Gnome 3.34採用で軽快性・機能性がジャンプアップ!・・Wayland環境下の日本語化残処理を極める!

 
実を言えば、Manjaro 18.1.1 Gnome editionを設定中に大量のアップデートがかかり、まじか・・と思ったら、丁度、18.1.1から18.1.2へのアップグレードのタイミングに当方が18.1.1 Gnome editionを設定していたようで。。18.1.1から18.1.2へのアップグレードは問題もなく終わり・・ただ、Dash to Dockでパネルモードだった設定が外れてしまうぐらいでしょうか。。あまり影響はありませんでした。という事で、もともとManjaro 18.1.1 Gnome editionに関する投稿でしたが、急遽、Manjaro 18.1.2 Gnome editionに切り替えて投稿・・という事に。。。

Manjaro 18.1 Openbox editionの投稿の際にも若干触れましたが、Manjaro 18.1の段階では、Gnomeのeditionは以前と変わっておらず、ならば・・Gnome 3.34になってから・・投稿します・・という事にしていました。

実を言えば、Manjaro 18.1.1の段階でgnomeのeditionは3.34に変わっており、筆者が手掛けようとした瞬間に18.1.2に変わっているため、そう考えると、18.1.1の寿命はそんなに長くなかったように考えられます。

投稿内容を、manjaro 18.1.2 Gnome editionの初期設定、日本語化残処理、基本設定・・としようと思いましたが、Manjaroのこのあたりの設定は変わることなく最近は割に普遍。

 このため、今回は、ちょっと趣向をかえて、いつも行っているX.orgをディスプレイサーバとしたmanjaro gnome editionの日本語化残処理ではなく、X.orgの後継、Wayland環境下における日本語化残処理に焦点をあてて投稿を進めていきます。


1.概要

1)デスクトップ環境:Gnome 3.34


2)Display Server: X.org又はWayland(X.orgがデフォルトです。今回はWaylandを使用)

3)カーネル:5.3.7-2


 4)消費メモリー

さて、直近で、gnome 3.34を採用した代表的なDistributionとしては、本ブログでも紹介したUbuntu 19.10、まだ投稿していない(今回は投稿しないかもしれませんが)Voyager GE 19.10及び、先日リリースされたばっかりのFedora 31が挙げられます。

Fedora 31を除いたそれぞれのlogin直後の消費メモリは・・、

①Ubuntu 19.10

②Voyager GE 19.10

③Manjaro 18.1.2 Gnome edition

ほぼほぼ消費メモリーは700MB台となっていますが、Manjaro 18.1.2 Gnome editionのみ600MB台の消費メモリーとなっています。同一デスクトップ環境だと、Manjaroがメモリーを最も消費する傾向にありましたが、今回、この3つの中では、最も消費メモリーが少ない状況となっています。login直後の消費メモリーのみを考えた場合、軽快だと言っても問題のないレベルです。事実、Manjaro 18.1 Xfce editionと大きな差はない状況となっています。

 3)他

Gnome 3.34で加わった新機能アプリケーションパネルのグループ化も以下の通りで・・。使ってみると割に◎の新機能です。

pamacもバージョンアップで使いやすくなった感じ。。

2.インストール(GPT/UEFIケース/Secure Boot→Off)

ここは今まで投稿したmanjaro関連記事と全く同じですので流れのみを。。
いつものように、本体、ブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。

まずインストールメディアでブートアップした直後、以下のようにブートパラメーターを変え・・
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これでブート後インストーラーをキックする流れとなります。
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 office系アプリケーションは、選択式インストールとなっています。ちなみに以前pre installされていたoffice onlineの機能性はすでにpre installの対象となっていません。

3.X.OrgからWaylandへの変更処理

今回はディスプレイサーバーとしてX.orgではなくWaylandを使用しますので、インストール→再起動後、初期設定の前にディスプレイサーバーをX.OrgからWaylandへ変更します(デフォルトのディスプレイサーバーはX.orgです)。

ディスプレイサーバーをWaylandにする変更処理は、/etc/gdm/custom.confを以下のように書き換えて再起動する事により完了します。
反転部分のfalseをtrueに書き換えます
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保存して再起動・・
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ディスプレイサーバーがWaylandになります
 4.初期設定

ディスプレイサーバーが、Waylandになっても、初期設定は、X.orgの時の処理内容と同じです。日本語化残処理に関しては、日本語input methodの設定方法のみ異なります。

1)repositoryの最適化とシステムアップデートアップグレード

ターミナルから以下コマンドを投入して、repositoryの最適化を行い。。

sudo pacman-mirrors --fasttrack

続けて以下コマンドを投入してシステムアップデート・アップグレードを完了します。

sudo pacman -Syyu

 以上で初期設定は終了。。

 5.日本語化残処理

1)アプリケーションメニュー等の日本語化

manjaro setting manager→言語パッケージ→”パッケージのインストール”を押下で不足日本語化パッケージがインストールされ、アプリメニュー等の日本語化が完了します。
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以上で、アプリメニュー等の日本語化が完了。例えばFirefoxも・・

2)日本語input metod:fcitx-mozcのインストール・設定

① fcitx-mozcのインストール

fcitx-mozcのインストールは、X.org環境下の実施内容と同じ。。

ターミナルから・・

sudo pacman -S fcitx-mozc fcitx-gtk2 fcitx-gtk3 fcitx-qt5

を投入してインストールを完了させます。


② fcitx-mozcの設定ーその1:環境変数の記述

X.org環境下においては、.xprofileにfcitxに関する環境変数を書き、logout/loginでfcitx-mozcによる日本語入力が可能となりますが、Wayland環境下では、.xprofileを読みません。代わりにfcitxに関する環境変数を、/etc/environment に記述します。
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記述内容は、X.org環境下の.xprofileの内容と同じです。上記のように以下3行を/etc/environmentに追記します。

export GTK_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx

以上処理完了後、logout/loginでfcitx-mozcによる日本語入力が可能となります・・が、
起動アプリ上でキーレイアウトが英語キーボードになるという問題が発生します。
次に、これを収拾します。

③ fcitx-mozcの設定ーその2:キーレイアウトの問題の収拾

fcitx-configtoolをインストールします。
デスクトップ・パネル上のfcitx indicatorから”設定”を選択・実行し、fcitx-configtoolを起動します。
上記内容を以下のように変更します(順番に注意)。
上記処理完了後、logout/loginか、fcitxの再起動により、キーレイアウトの問題は解消します。

以上で日本語化残処理は終了です。

6.基本設定等

1)デフォルトフォントに関して

manjaroのデフォルトフォントははっきり言ってイマイチです(笑。このため筆者がデフォルトフォントを変更した代表的な箇所を以下に例示します。。。

① Tweaks→フォント

② Firefox→設定→言語と外観

③ Libreoffice writer→ツール→オプション→Libreoffice Writer→既定のフォント(アジア諸言語)

2)Office Onlineの機能性に関して

すでにこの機能性はpre-install対象となっておらず、ローカルアプリのようにOffice Onlineは操作できません。この機能性はpamac等からインストール可能ですが、Fireofx上でのoffice online機能のメニュー表示が英語表記になっちゃうみたいな感じで正直イマイチです(一時期はインストールに問題を抱えていました)。このため、筆者はAURから、Peppermint OSのice ssbとWeb browserとしてChromiumをインストールし、ice ssbを使ってOffice online機能をChromium上で定義して使用する方法を取っています。

具体的な最新のice ssbでの定義内容、office onlineのアドレス情報に関しては本ブログの以下のPeppermint 10に関する投稿記事を参照ください。
https://www.linux-setting.tokyo/2019/05/peppermint-10-ubuntu-18042linux.html

Officeのdeepな機能性を必要としないならば、MS Office Onlineの機能で十分ですので、Libreoffice等のoffice suiteも不要となります。 MS officeとの互換性を気にする必要もありません。

 7.評価

軽快性:A、機能性:A、インストール・初期設定・日本語化残処理の平易性:B+、安定性:A

となります。Gnomeをデスクトップ環境として持つDistirubitionにて、軽快性をAランクとするのは初めてですが、login直後の消費メモリーが700MBを切ったという事であえてこの評価をつけてみました。Manjaroのメインストリームeditionでは、Xfce4、KDE Plasma5、Gnome 3.34.1のこの3つのデスクトップ環境を搭載していますが、軽快性の差はほとんどなくなってきており、純粋にデスクトップの機能性や扱いやすさの観点で、デスクトップ環境を選択できるようになってきているのは◎です。

今回、最新のGnome 3.34.1を搭載するManjaro 18.1.2 Gnome editionを検証しましたが、この出来ならば、最新Xfce4.14を搭載する Manjaro 18.1.2 Xfce editionと、どちらを選択し使うのか非常に悩むのでは・・と思います。

出来は間違いなく◎、特に仕事で使用するには筆者一押し、オススメのDistirubitionとなります。

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