LMDE 5 “Elsie” 〜Debian 11 bullseyeベース Linux Mint Debian Edition Ver.5 遂に登場・・


Debian 11 bullseyeベースLMDE 5 "Elsie"が遂にリリースです。Linux Mint 20.3 "Una"の機能性はそのままに、ベースをUbuntuからDebian 11 bullseye stableへ。さて・・その出来は・・という事で、今回は、LMDE 5の機能性や、インストール〜日本語化残処理に関して投稿を進めていきます(LMDE 5 64bit editionに関する投稿となります)。制限事項としてYumiマルチブートは使用できませんので注意ください。

1.概要

1.1 ベース:Debian 11.2 bullseye stable

1.2 デスクトップ環境:Cinnamon 5.2.7

1.3 カーネル:5.10シリーズ


1.4 システム動作要求
・メモリ:2GB以上(4GB推奨)
・Disk/SSD:20GB以上(100GB推奨)
・モニター:1024x768以上

1.5 インストールメディア用isoファイル入手先


32bit editionは、Torrent経由でダウンロード可能です。
インストールメディアはダウンロードしたisoファイルを入力としてrufus等によってUSBメモリーに作成ください。

2.インストール(GPT/UEFIケース、Secure boot off)

”はい”を押下
ブートローダー、本体のインストール先は環境依存のため参考になりません。

3.初期設定

3.1 Welcome Windowによる初期設定

インストール完了後、Mint Welcome Windowが表示されます。

上記Windowの”はじめに”カテゴリを選択して初期設定を進めていきます。

本初期設定の内容は、Linux Mint 20系と同等ですので初期設定項目単位で簡単に解説していきます。

1)デスクトップの配色
デフォルトではグリーン系が採用されています。筆者はブルーを選択しています。

2)パネルのレイアウト
デフォルトでは、モダンが採用されています。ここはデフォルトで構わないと思います。

3)システムスナップショット
Timeshiftの設定となります。
これは後で行っても構いません。必要に応じて設定ください。

4)マルチメディアコーディック
マルチメディアコーディックは起動してインストールしてください。

5)アップデートマネージャー
ここではrepositoryの最適化とシステムアップデート&アップグレードを行います。

本箇所は少し解説をします。これを起動すると以下Window(右側)が立ち上がりますのでOKボタンを押下します。

近くのローカルミラーに切り替えますか?というメッセージが出力されますので、”はい”ボタンを押下します。
ここではソフトウエアソースの変更を行います。ソースの種類としては、メインとベースがあり、メインがMint respository、ベースがDebian 11 stable repositoryとなります。

メインのデフォルトrepositoryサーバーが設定されている箇所を押下すると、ネットスピードが早い順にrepositoryサーバーがリスティングされます。最上位の国内サーバーを選択しメインを国内サーバーにセットします。
次にベースも同様なオペレーションで国内サーバーにセットします。
ソフトウエアソース Windowの下部に”[OK]をクリックしてキャッシュを更新します”というメッセージが出力されていますので、横のOKボタンを押下し、キャッシュ更新を行います。
以上でrepositoryの最適化は終了です。これによって、ソフトウエアインストール・アップデートにかかる時間を短縮する事ができます。

次にアップデートマネージャーを使って、システムアップデート・アップグレードを行います。
”アップデートをインストール”ボタンを押下します。
以上でアップデートマネージャーの処理は完了です。

6)システム設定
本処理は初期設定で行う必要はありません。

7)ソフトウエアマネージャー
本処理は初期設定で行う必要はありません。

8)ファイアーウォール
本処理は必要に応じて行ってください。

3.2 時刻の調整(WindowsとのDual boot構成時のみ必要)

これはいつもの作業ですが、Windowsとのデュアルブート構成時にLMDE 5利用後、Windows側の時刻が狂うため、以下コマンドをターミナルに投入して収拾します。

→timedatectl set-local-rtc true

4.日本語化残処理

4.1 日本語化パッケージ不足分のインストールとロケール設定

システム設定→言語を選択・実行して日本語化パッケージ不足分のインストールとロケール設定を行います。


システム設定の言語を起動し、”言語”をクリック、次に表示されるWindows中で”Japanese,Japan”の箇所を選択すると、”言語パッケージのインストール”ボタンが押下可能となるため、これを押下し、不足分の日本語化パッケージをインストールします。

これでインストールは完了・・閉じるボタンを押下します。次にロケール設定に入ります。
システムのロケールの”地域”や”時間書式”がロケール未設定になっているため、”システム全体に適用”ボタンを押下し、これを収拾します。

以上で、日本語化パッケージ不足分のインストールとロケール設定は終了です。

4.2 日本語input method:fcitx-mozcのインストール

残念ながら、日本語input methodはインストールされませんので、fcitx-mozcをインストールします。

これはターミナルを起動し、以下コマンドを投入・・

→sudo apt install fcitx-mozc

fcitx-mozcを利用可能とするためと、初期設定の中で、システムアップデート・アップグレードを行っているため、一旦ここで再起動します。これでfcitx-mozcを用いた日本語入力も可能となります。

以上で、LMDE 5は国内における通常使用では困らないレベルとなります。

5.LMDE 5の機能性に関して

これはLinux Mint 20.3と同等レベルです。筆者は別途、Google ChromeをGoogleサイトからダウンロード・インストールしてWebAppの定義ブラウザにしていますが、WebAppも問題なく利用できます。以下はWebAppによるGoogle系サービスの定義結果。

Hypnotix(インターネットTV)も以下の通り・・。

無論、Warpinator(LAN内ファイル送受信機能)も利用できます。

機能性に関しては文句なく◎です。

6.評価

機能性:S、軽快性:B+、安定性:A、インストール〜日本語化残処理の平易性:B+

と行ったところでしょうか。

LMDE 5デスクトップのカスタマイズに使用するアプレット、拡張機能も品揃えはそこそこですし、Mint共通のWebAPPや、Hypnotix、Warpinatorは無論問題なく使用できます。機能性の評価がSランクというのは妥当な線ではないかと思います。軽快性は、やはりそこはCinnamonなので、操作上の反応の機敏性等を考えるとXfceやLXQtには負けますが、通常使用では問題のないレベルとなっています。
また、インストール〜日本語化残処理の平易性はLMDE 4から相当改善されていますので、Aに近いB+評価とさせていただきました。

Debianベースの中では、機能性・安定性・軽快性・設定の平易性のバランスがもっとも取れているDistributionであり、Debianファンに対しては筆者イチオシ・おすすめの一本となります!

やはりLinux Mint系は期待を裏切りません。



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