Manjaro 21.1 "Pahvo" Gnome edition リリース! 〜Full Gnome 40サポート!・・史上最強のManjaro Gnomeデスクトップ環境の問題と対応策に関して・・




Manjaro 21.1 "Pahvo" 登場です。最新のPahvoはバージョン21.1.1となっており、オリジナルの21.1に小規模なアップデートが適用されています。

今回リリースされた”Pahvo”のメインストリームedition(Xfce、Gnome、KDE各edition)の中でドラスチックな変化があったのは、間違いなくGnome editionです。gnome shellのバージョンがようやく40.4となり、Gnome 40 fullサポートとなったのに伴い、いくつかの機能拡張が追加された結果、従来の機能性と合わせて現時点のgnomeベースDistributionの中ではおそらく最強の環境となっています(カーネルはPahvo共通で5.13シリーズ(5.13.12-1-MANJARO)を採用しています。デフォルトDisplay Serverは無論Waylandです)。


パッケージ管理としては、pamac(ソフトウエアの追加と削除)により、Manjaro package、AUR、flatpak、snapを統合的に取り扱えるようになっており、申し分ありません(ただし、AUR、flatpak、snapに関しては、pamacの設定上デフォルトでは取り扱いがOffになっているため、これらをpamacで使用したい場合は、Onにしてやる必要があります)。

上記では、AURとflatpakをpamacで取り扱えるようpamacの設定を使ってOnに設定

さて、gnomeベースのDistributionとして人気の高いものは、Zorin OS、Pop_OSがありますが、最新のZorin OS 16の場合、Ubuntu長期サポート(LTS)editionをベースとしている関係上、gnomeのバージョンは3.38系を使用しており、Zorinの機能拡張に関しては独自gnome-shell-extensionにより実現しています。現在のところPop_OSに関しても、gnomeのサポータビリティはZorinと変わりませんが、Pop_OSは、Ubuntu短期サポートeditionをベースとしているものもリリースされており、今秋予定のUbuntu 21.10リリース後、おそらくgnomeのバージョンを40としたリリースを行ってくるものと考えられます。この段階で、Window tilingを実現しているPop_OS独自gnome-shell-extension:pop-shellに関しても、gnome shell 40に対応してくるものと思います。

"Pahvo" gnome editionのアプローチですが、これら著名なGnome base distributionのように独自gnome-shell-extensionを中心に機能拡張を展開している・・というのではなく(独自gnome-shell-extensionが無いというわけではありません)、gnome-shell-extensionを含め、他のDistributionで特徴的な差別化要因となっている仕組みを積極的に取り入れ、これらを統合した環境を提供するといったもので、一般的な利用環境にとって、ほしいな・・と思うものが概ね揃っているという点が最強の所以だと考えています。

例えば、Linux Mintとpeppermint開発チームの産物:WabAPPはpre-installされており、これを使って定義する事によりオンラインアプリケーションをローカルアプリケーションのように操作可能としていますし、

Office OnlineのWebAPP適用結果

今回、新たに加わったLayouts→Settingの操作によりPop-shellによる、Pop_OSのWindow tilingも利用できます。

残念なのが、有益ないくつかのgnome-shell-extensionやツールに関しては、pre-installを忘れたのか、別途インストールが必要な点でしょうか(^^;。結果、ユーザーインタフェース上は利用可能になっていても、実際には全く使えないものが存在し、これらをどうやれば使えるようにできるのか・・というガイドが全く無い点・・これがホント致命的で(苦笑。

今回は、これらをどうやれば使えるようにできるのか・・という所を中心に、日本語input methodとしてwayland対応のfcitx5-mozcのインストール&設定方法を含み投稿を進めて行きます。

尚、インストール、初期設定、日本語化残処理に関しては、以下、本ブログのManjaro 21.0.6 Ornara gnome editionの投稿記事とほぼ同じですので本ブログの以下リンクを参照とします。

https://www.linux-setting.tokyo/2021/06/manjaro-2106-ornara-manjaro-2106-gnome.html

ただし、上記リンク記事中の3.2 日本語input methodのインストール&設定”
に関し、本ブログではwayland対応のfcitx5-mozcのインストール&設定に変えますので、fcitx5-mozcを利用したい場合は、上記リンク記事中の3.2 日本語input methodのインストール&設定”を無視してください。fcitx5-mozcではなく、iBus-anthyでいいやという方は、本ブログに記載するfcitx5-mozcのインストール&設定ではなく、上記リンクを参考に作業を行ってください。

1.主な機能強化と動作しない項目の対応

さて、gnome shellがバージョン40に変わって見た目大きく異なるのが外観を構成するスタイルという事になります。このため、デスクトップスタイルに関してはいくつか準備されており、互換性の重視という事で今までのスタイルも選択可能としています。これらを選択・適用する仕組みとして今回新たに提供されたのが、"Layouts"となります。


上記、Layoutsのスタイルのうち、"Traditional"が、今までのManjaro gnome editionのスタイルとなりますが、full Gnome 40のインタフェースを十分に利用したいのであれば、デフォルトの"Manjaro"あるいは”Gnome"をスタイルとして選択する事となります。一般的にはスタイルは、利便性が高いデフォルト値の”Manjaro"・・Dash to Dockをデスクトップ下部中央に配置するスタイルで構わないと思います。

次に"Layouts"の”Settings"タブを選択すると・・

上記スクリーンショットのようにWindow左側にツールや各種設定 Windowの起動を行うためにOpenボタンが配置されており、右側に主要gnome-shell-extensionをenableにするボタンが配置されている構造となっています。

まず左側のOpenボタンですが、Online accounts以外は起動できません。これは、実体が無いためですので、まずは、これらを使えるようにします。

① Dynamic wallpaper

この実体は、dynamic-wallpaper-editorですが、これがpre install対象とはなっていません。
したがってターミナルを起動し以下コマンドを投入して、dynamic-wallpaper-editorをインストールします(pamacを使っても構いません)。

→sudo pacman -S dynamic-wallpaper-editor

次にDynamic wallpaper右横のOpenボタンを押下し、下記のようなWindowが起動すれば、処理は成功です。

<Dynamic wallpaperとは?>

Dynamic wallpaperは、いわゆる自動壁紙変更機能を提供しますが、壁紙一枚づつその表示時間、次の壁紙に移行する時間を変えて指定する事ができる優れものです。以下例では、全ての壁紙の表示時間(300秒)、次の壁紙への移行時間(3秒)を同一にしています。


流れとして、まず、Dynamic Wallpaperをopenし、起動されるWindow中のAdd picturesボタンを押下→一枚づつ壁紙を選択するか、Add a folderボタンを押下→壁紙が格納されたフォルダーを選択すると、上記のスクリーンショットのようにDynamic wallpaperの切り替え対象として選択した壁紙一覧が表示されます。次にSaveボタンを押下し、設定内容をxmlファイルとして保存します。

上記プロセスを踏み、Applyボタンを押下すると表示されるメニュー中の”Set as wallpaper"が選択可能となりますので、これを選択します。

以上で、Dynamic wallpaperの設定内容が起動され、壁紙変更が自動的になされるようになります。止めたい場合は、gnomeの標準の壁紙変更機能を使って、お好きな壁紙を指定するだけ。。再度、Dynamic wallpaperによる壁紙変更を行いたい場合は、保存したxmlファイルをOpenして、Applyボタン→Set as wallpaperを選択します。もっと細かい設定も可能ですが、これが最も簡単な使い方です。

② Gnome tweak tool、Gnome extensions

この2つは、Gnome環境をお使いの方ならおなじみだと思いますが、Tweaksと拡張機能に相当します。これらもpre-installの対象に入っていないため、Openボタンを押下しても起動しません。このため、gnome-tweaksを同様にターミナルを使ってインストールする必要があります(pamacを使っても構いません)。

→sudo pacman -S gnome-tweaks

以上処理終了後、Gnome tweak tool及び、Gnome-extensionsのそれぞれ右横にあるOpenボタンを押下し、以下のようなWindowが表示されれば、処理は成功です。

Gnome-tweak-toolのOpenボタンを押下→Tweaksが起動されます

Gnome extensionsのOpenボタンを押下→拡張機能が起動されます

次に"Layouts"→”Settings"の右側のgnome-shell-extensionの起動項目に関してです。


ここで起動しないものは、Window Tiling(Pop-shell)となります・・肝心の(^^;・・。


③  Window Tiling(Pop-shell)

さて、これが起動しないのは、Pop_OSのgnome-shell-extensionである、"gnome-shell-extension-pop-shell"がpre-install対象に入っていないためです。

このため、同様にターミナルを使ってインストールする必要があります(pamacを使っても構いません)。

→sudo pacman -S gnome-shell-extension-pop-shell

上記処理終了後、"Layouts"→”Settings"のWindow Tiling(Pop-shell)右横にあるボタンを右方向にスライドさせると、パネル上にWindow Tilingのアイコンが表示されます。このアイコンをクリックし、"Tile Window"の右横にあるボタンを右方向にスライドさせるとPop_OSでいうWindow tilingが起動します(または、Windowsボタン+Yでも可)。


Window tilingをOffにするためには、上記と逆の操作・・"Tile Window"の右横にあるボタンを左方向にスライドさせる、あるいは、Windowsボタン+YでOK。

2.スタイルとして”Manjaro"を選択した場合の追加作業

Gnome 40のワークスペースビューや、アプリケーショングリッドには、必ず上部に検索ボックスが表示されますが、スタイルとして"Manjaro"を選択した場合、これが表示されません。

ワークスペースビュー

アプリケーショングリッド

検索ボックスが無いと色々不便ですので、これを表示させるようにします。

このためには、Layouts→Setting→gnome extensionsのOpenボタンを押下し拡張機能を起動した上で、この中の”Gnome 40 UI Improvements”右横の歯車アイコンを押下し、 ”Gnome 40 UI Improvements”の設定変更を行います。

hide-searchの右側にあるボタンを左方向にスライドさせます

以上処理終了後、スタイルが"Manjaro"であってもワークスペースビューや、アプリケーショングリッドに検索ボックスが表示されるようになります。
ワークスペースビュー

アプリケーショングリッド

3.日本語入力環境fcitx5-mozcのインストールと設定

fcitx5-mozcのインストールは、ターミナルを使用し以下コマンドを投入します。

→sudo pacman -S  fcitx5-mozc fcitx5-im

次にホームディレクトリ直下に、 .pam_environment を以下内容で作成します。

GTK_IM_MODULE DEFAULT=fcitx
QT_IM_MODULE  DEFAULT=fcitx
XMODIFIERS    DEFAULT=\@im=fcitx
SDL_IM_MODULE DEFAULT=fcitx

上記処理終了後、logout/loginでfcitx5-mozcが使用可能となります。


当方の使っているmanjaro repositoryのアプリケーションにおいては、fcitx5-mozcによる日本語入力上の問題は発生していませんが、flatpakアプリケーションに関しては、別途日本語入力検証が必要です。

また、従来のfcitx-mozc(fcitx4)では、アプリケーショングリッドや、ワークスペースビューの検索ボックスに対して日本語入力→検索は不可能でしたが、挙動がかなり怪しいものの、fcitx5-mozcによる日本語入力→検索はかろうじて可能となっています。



4.評価

機能性:S、基本設定の平易性:C、軽快性:B+、安定性:A、、インストール→初期設定→日本語化残処理の平易性:A

としています。今回主に投稿した内容は基本設定の中に入れましたので、さすがにこれは、評価Cでしょっという結果です。ユーザインタフェースには機能があってもこれが動作しない、かつ動作させるためのガイドも無いため、最初見た時”なんだこれ”と呆れましたが、これを調べるために割に時間を割いてしまいました。pre-installを忘れたという事であれば、ま・・致し方ないか・・という感じです(苦笑。

機能性に関しては◎、軽快性はまあまあ、安定性もまずまずです。

Gnomeデスクトップ環境としては◎の出来ですが、今回紹介した内容がマイナスポイントでしょうか。したがって、基本設定の難易度は決して低くありません。

ただ、筆者にとって久々にGnomeデスクトップ環境を長く使ってみようかなと思わせるエンハンスがなされていたのは間違いありません。

尚、本ブログで掲載したスクリーンショットの中には、筆者が追加設定をおこなった後のものが含まれます(Conkytテーマの表示、外観の変更(各種テーマ変更)、gnome-shell-extensionのインストール&適用等)のでこのあたりは注意願います。




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