Zorin OS 16 Core 〜Ubuntu 20.04 LTSベースZorin登場・・エンハンスされた機能性をチェックする!(elementary 6とも比較してみた・・)

 



Ubuntu 20.04 LTSベース・・Zorin OS 16 Coreリリースです。elementary 6に引き続き大物の登場。Gnomeのバージョンは3.38系。Gnome-shellのバージョンは、3.38.4。リリースタイミングが、8月17日ですので、8月19日リリース予定の(8月20日現在まだリリースされてませんけど)Ubuntu 20.04.3ベースではなく、Ubuntu 20.04.2ベースって事になるんですが、カーネルは、5.8シリーズではなく、Ubuntu 21.04が搭載する5.11シリーズを採用しているため、elementary 6と同様Ubuntu 20.04.3 LTSベースかこれに近い環境に既になっているものと思われます。

さて、今回は、インストール、初期設定、日本語化残処理で迷う所はほとんど無いため、Zorin OS 16 Coreのエンハンスされた機能性を中心にまとめてみたいと思います。

1.Zorin Appearance

gnome-tweaksが提供する機能性の一部は、Zorrin Appearanceが担っており、gnome-tweaks(Tweaks+拡張機能)はpre-installされません。Zorin OS 16 Pro(有料)においては、Windows 11ライクなスタイルにする事もでき、アプリケーションアイコンやメニューをパネル中央に寄せられます。ただし、Zorin OS 16 Coreでも、Zorin Appearance→"インターフェース"→"タスクバーの設定"を使用して、ある程度Windows 11ライクなパネルにする事が可能で、以下のスクリーンショットのパネルのようにアプリケーションアイコン(Zorinタスクバー)を中央に寄せる事ができます。メニュー自体も中央に寄せられますが、パネル全体のバランスが悪くなるため、筆者はメニューをパネルの左端に寄せたままとしています。このあたりは好き嫌いが出てきますが。。


Zorin Appearanceで設定できるスタイルは4種類・・

Zorin Appearanceでタスクバーの設定を使い、パネルのカスタマイズを行ったあと、上記スタイルを再選択してしまうと、カスタマイズ結果がチャラになりますので、まず、自分好みのスタイルを選択し、それからタスクバーの設定を使って、パネルのカスタマイズを行い、以降、スタイルは触らないっていうのがお作法になります。

また、上記Zorin Appearance(スタイルタブ)を下方向にスクロールすると・・

Windows 11のスタイルを含め4種類のスタイルを新たに使えるので、お金を払ってZorin OS 16 Proにアップグレードしてね・・という意味合いの文章が表示されます。ある程度Zorin OS 16 Coreのカスタマイズでもできちゃいますので、Proはいりませんけど・・。

2.デフォルトの壁紙

デフォルトでセットされる壁紙は、同じ壁紙ではあるものの時刻に合わせて色調が変化する凝ったものに・・。



3.Window効果

Window効果については、Zorin Appearance→インターフェース→ゼリーモードをOnにすると・・


Windowを動かすたびにグニャグニャ効果・・だからゼリーモードと言うんでしょうけど(笑。
ちなみにゼリーモードをONにした状態で、Windowを最小化するとKDEのランプマジック効果適用時に似た・・Zorin Taskバーに吸い込まれて行くような効果が発動します。

非常にきれいでWindow効果もばっちりのGnomeデスクトップ環境ですが、Gnomeというより全体の雰囲気はKDE Plasma 5の方に似ている感じがします。

4.パッケージ管理

さて肝心のソフトウエア管理についてですが・・ソフトウエア3.36.1を使用しており、Ubuntu パッケージ、snapパッケージ、flatpakパッケージの管理を一元的に行えるようになっています。


例えばFirefoxをソフトウエアで探してみると・・


flatpak Package、Ubuntu Package、Snap Packageの3種類表示されソフトウエアで管理されている事がわかります。




AppImageに関しては、ソフトウエアに統合・・というわけにはいかず、AppImage Packageをダウンロードし、ダブルクリックでインストール開始・・で利用可能となります。

例えばAppImageで配布されているStationをダウンロードし、これをダブルクリックしてインストールすると・・



Zoomも問題なく起動でき使える・・という感じ・・当たり前ですが。

Windowsのexeファイル(インストーラ)もダウンロードして、当該exeファイルをダブルクリックすると同様にインストールプロセスが走るっていうWindowsライクな仕様・・。面白いですけど、やっぱりWineって事になりますので、起動はできますがろくに動いてくれません(笑。。試しにWindowsのZoomのインストーラ(exeファイル)を起動してインストールしてみると・・
キーボードからの入力が行えないっていうか見えない(笑・・

自分には不要です(笑。Windowsからの容易な移行・・という事で操作性やデフォルトの外観はできるだけWindowsに似せるという作りになっています。

ソフトウエアで、flatpak、ubuntu、snap各パッケージをインストール等統合管理が行えるようにした上で、exeファイルや、AppImageの各インストーラーはダブルクリックでインストールプロセスを起動する・・という事で作りとしてはさすがだと思います。

ソフトウエア管理をシステムコアを含めflatpakに集約し始めているelementaryとは全く逆方向のアプローチで、斬新さ、セキュリティの維持という観点からいえば、elementary 6が上、ソフトウエア揃えという観点では、明らかにZorin OS 16 Coreが上という事になります。

5.Zorin独自のGnome-shell-extension

Gnome Tweaksをインストールし拡張機能を使って、Zorin OS 16の独自Gnome-shell-extensionをチェックしてみましたが・・


合計8種類のZorin独自Gnome-shell-extensionを使用しており、拡張機能を利用するとZorin Appearanceよりも細かい設定が可能なものが存在します。

やはりWindow効果はZorin独自のgnome-shell-extensionにて実現されているようです。

6.インストール後の初期設定・日本語化残処理に関する事項

6.1 repository

Ubuntu repositoryは国内サーバにセットされるため、repositoryの最適化の必要はありません。

6.2 時刻の調整

デュアルブート構成時、Zorin使用後にWindowsの時刻が狂うといういつもの問題ですが、これもターミナルにて以下コマンドを投入してDone。

→timedatectl set-local-rtc true

6.2 日本語化残処理

1)日本語Input Method

iBus-Mozcがインストール&設定されますが、使用可能とするためには、パネルのim-indicatorのメニューから日本語(Mozc)を選択するだけ・・

で・・iBus-Mozcによる日本語入力が可能となります。

2)デフォルトフォントの変更

noto-sans-cjk-jp系に変更していますが・・これはお好みにあわせて・・
Zorin Appearance→フォントを使用します。


7. 評価

機能性:S、軽快性:B+、安定性:A、インストール→初期設定→日本語化残処理の平易性:A

こんな感じでしょうか。軽快性に関して・・login直後の消費メモリは・・
600MBの後半で、elementary 6と同じ感じ・・ですが、動作がきびきびしているのは・・elementary 6のほうです。

機能性は無論Sランク。上述した機能性に加え、アイコンやスタイルの色調も一発で変えられる所はGood。。

Windowsの世界に極力似せてソリューション揃えをスキなく行ってきたZorin OS 16 Core・・結構えぐいGnomeのカスタマイズを行って登場してきました。操作性に関してはeasy of use・・Windowsの操作になれている方はあまり問題なく使用できるかもしれません。

かなりおすすめのZorin OS 16 Core・・先進性だとelementary 6を無論選択しますが、使い勝手やソリューション揃えという観点ではZorin OS 16 Coreって事になります。

皆さんはどちらを選択しますか?



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