さてUbuntu 20.04.1 LTSフレーバー第3弾は、Ubuntu Budgie 20.04.1 LTS。。
Solusのために構成されたデスクトップ環境Budgieを搭載するUbuntu 20.04.1 LTSフレーバーとなります。
非常に高機能であり、Solusや、他の主要distributionで提供されるBudgieデスクトップ環境と比較してもアプレットの数も多く、デスクトップスタイルもいくつか準備されている等、かなりカスタマイズされたBudgieデスクトップ環境となります。
”Budgieへようこそ”Windowにより初期設定、基本設定を進めていくタイプですが・・
このWindowの構成はUbuntu Mate 20.04.1の”ようこそ”windowと良く似ています。ただし、 機能性が多いが故に、設定項目が多く・・このため、”Budgieへようこそ” windowで設定箇所を探すのも割に大変・・。このあたりはUbuntu Mate 20.04.1 LTSの方が◎。
また、設定項目が多い割に、インストール→再起動→login後に表示される”Budgieへようこそ”windowは、次にloginした際は表示されません。Ubuntu Mate 20.04.1 LTSの場合は、”loginのたびに「ようこそ」を開く”にチェックが入っている間は、loginの都度、ようこそWindowが開くようになっており、ユーザーが、意図的にこのチェックを外せば、次回login後、ようこそWindowが表示されないようにできます。
Ubuntu Budgie 20.04.1 LTSの場合でも、1回のlogin中に、すべて設定しきれればよいのですが、数が多いが故に無理があります。2回目以降のlogin後は、メニューから探して"Budgie"へようこそ”を起動する必要あるという事なんですが・・そもそもアップデート・アップグレードを行った場合、再起動を要求されてしまいますので、これを行うと、ほとんどの設定を行っていないのにもかかわらず、次回login後に、”Budgieへようこそ”Windowが表示されない・・という事になってしまいます(^^;。
次に、日本語化残処理に関しては、pre-installアプリケーション等の日本語化は◎ですが、デフォルトでセットされる日本語input method(iBus-mozc)が、初期状態で、うまく機能しません・・というより、日本語input methodの設定箇所でUbuntu Budgie 20.04.1 LTSの利用を諦めてしまうケースが多々あるのでは・・と心配してしまう程出来が悪く(^^;。
という諸々の問題のため、今回、Ubuntu Budgie 20.04.1 LTSの初期設定、日本語化残処理に関しては”Budgieへようこそ”Windowは使わずコマンドで行う事としました。他必要な設定に関しては、随時”Budgieへようこそ”をメニューから起動して行うという流れにしています。
と・・言うことで早速、Ubuntu Budgie 20.04.1 LTSの投稿を進めて行きます。
1.概要
1)ベース:Ubuntu 20.04.1 LTS
2)デスクトップ環境:Budgie 10.5.1
3)カーネル:5.4.0-42-generic
meltdown/spectre HW脆弱性緩和策対応度は・・
まず問題の無いレベルとなっています。
2.インストール(MBR/Legacy Biosケース)
左側のボックスから”日本語”を選択 |
ここでは、”Budgieへようこそ”Windowを使用しません。初期設定、日本語化残処理(日本語input method)の箇所をコマンドにて対処します。”Budgieへようこそ”Windowが表示されても一旦このWindowは閉じます。
1)システムアップデート/アップグレード
→sudo apt update && sudo apt upgrade && sudo snap refresh
日本語指定でインストールすれば、ubuntu repositoryは、国内サーバーにセットされますので、repository最適化の必要はありません。snapに対しても上記コマンドで対処しています。
以上処理終了後、一旦再起動します。
2)ubuntu-restricted-extrasのインストール
"Budgieへようこそ”Windowの制限付きcodecs等のインストール箇所に対応します。
また、Synapticが無いと不便ですので、これも併せてインストールします。
→sudo apt install synaptic ubuntu-restricted-extras
3)日本語input methodの設定(日本語化残処理)
日本語指定でインストールすれば、各種アプリケーションのメニュー等の日本語化は完了します。ただし、デフォルトでインストールされる日本語input method iBus-mozcについては、初期状態で利用可能とはなりません。また、Ubuntu Budgie 18.04.xと同じ方法で収拾を図ってもNGです。このため本稿では、これ以上手間のかかるibus-mozcの設定内容の記載は止め、fcitx-mozcに切り替えて日本語入力可能とします。
→im-config -n fcitx
以上処理終了後、logout/loginでfcitx-mozcによる日本語入力が可能となります。
尚、Ubuntu Budgie 20.04.1ではibus-mozcとfcitx-mozc双方の日本語input methodがpre-install対象ですので、fcitx-mozcを追加インストールする必要はありません。
以上で、初期設定は終了です。
この初期設定完了後、Ubuntu Budgie 20.04.1 LTSは利用上あまり困らない環境となります。
この状態でlogin直後のメモリー消費量は以下の通りとなります。
メモリ消費量としては、599MBと600MBを切ってきますので、Ubuntu Mate 20.04.1 LTSよりも若干上です。極めて優秀。
他、Windowsとのデュアルブートを行っている場合は、Windows側の時刻がずれる現象を収拾するためターミナルから以下コマンドを投入する事も忘れずに。。。
sudo timedatectl set-local-rtc true
3.基本設定
次に基本設定です。ここでは、”Budgieへようこそ”Windowを随時使用し、設定を進めていきます。本設定内容はすべてオプションとなります。
1)ブラウザの選択
Ubuntu Budgie 20.04.1 LTSでもUbuntu Mate 20.04.1 LTSと同様、追加ブラウザのインストールが可能です。これは以下の流れで。
”はじめに”を押下 |
”ブラウザの選択”を押下 |
上記でお好みのブラウザをインストールできます。Chrome、Vivaldiインストール時にはそれぞれぞれのrepositoryが定義・追記されますのでアップデートがあった場合にその対象となります。Firefox、Chrome、Vivaldiを除く他のブラウザはすべてsnap経由でインストールされます。
snap経由でインストールされるブラウザに関しては、起動時間がある程度かかりますので、注意が必要です。
2)アプレットの起動・設定・追加インストール
Ubuntu Budgie 20.04.1 LTSでは、いくつかのBudgieアプレットがpre-installされています。
無論追加インストールも可能ですが、これは後述するとして、アプレットの起動・設定に関してここでは解説します。
アプレットの起動に関しては、”Budgieへようこそ”→”はじめに”→カスタマイズ から。
"カスタマイズ"を押下 |
”Budgieデスクトップの設定”を押下 |
左端メニューから”上パネル”を選択し、右端の ”アプレットの追加”右横の”➕”を押下すると、追加アプレットの選択画面になります。 ここでは、”WeatherShow”(天気予報)を選択し、”アプレットの追加”ボタンを 押下します。 |
するとパネル中央に天気予報アイコンが表示され、デスクトップ左上に天気予報が表示されます。デフォルトではLondonの天気予報が表示されるようになっています。
真ん中のアプレット一覧からWeatherShowを選択すると右端にWeatherShowの設定項目が表示されます。ここで”市町村”の箇所にアルファベットで天気予報を表示させたい都市を入力し、虫眼鏡アイコンを押下すると都市の候補が現れますので、この中から選択します。
以下ではhachiojiを入力し、候補としてHachioji,JPを選択しています。
上記処理によって、WeatherShowで、八王子の天気予報が表示されます。
他、WeatherShowのデスクトップ表示位置等細かい設定も可能です。
基本的に他のアプレットも同様な流れで起動・設定できます。
アプレットの追加インストールは、”Budgieへようこそ”→”ソフトウエアをインストール”→Budgie Extras"を選択・・アプレット一覧が表示されますので、ここからお好みのものを選択してインストールする・・という流れになります。
3)バックアップ機能、ファイアーウォール機能のインストール、ユーザ管理
これは、”Budgieへようこそ”→”はじめに”→”任意のタスク”から。
注意)
”はじめに”の”アップデートと追加”、”言語と入力”については処理済みですので、ここで触る必要はありません(触ると混乱する場合があります)。また”ドライバー”に関しては、HW上の問題があると思われる場合のみ選択しますが、ここでは省略します。
”はじめに”を押下 |
任意のタスクを押下 |
インストールあるいは設定を行います。 |
4)外観、レイアウトの変更
これは”Budgieへようこそ”→TEMES&LAYOUTS”から
”外観の切り替え”タグを選択 |
”デスクトップのレイアウト”タグを選択 |
以上のように外観やレイアウトを一括変更できます。
5)Flatpak、Drop Box、Nemo-shareのインストール、Backports repository
Flatpak、Dropbox、Nemo-shareをインストールする場合はこちらから。
これは"Budgieへようこそ”→”推奨事項"から
”推奨事項”を押下 |
4.評価
機能性:S、軽快性:A、安定性:A、インストール→初期設定→日本語化残処理→基本設定の平易性:B-
日本語input methodが初期状態だと使えない・・という点がかなりのマイナスです。ibus-mozcがデフォルトとなっていますが、これを使えるようにするためには、かなりの労力が必要となります。今回は、fcitx-mozcに切り替えましたが、こちらの設定の方がよっぽど簡単です。
次に”Budgieへようこそ”いわゆるWelcomeメニューを使用した設定ですが、あきらかに詰め込みすぎで、かえってわかりずらくなっています。このあたりは、Welcomeメニューの構成と内容を見直した方が良いと思います。
機能性も軽快性も◎ですので、設定の平易性が加わると鬼に金棒・・となるんですけど(^^;。
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