MX Linux 19.2 KDE editionリリース! 〜MXがKDEデスクトップ環境を追加・サポート・・一体どのようなデスクトップになったのか?

 



最新のMX Linuxのバージョンは19.2・・。このMX 19.2にKDEデスクトップ環境を追加しKDE editionとしてリリースしてきました。ベースラインはMX 19.2 Xfce editionと大差ありませんが、KDE Plasma 5を搭載する事により、Xfce editionよりエレガントで高機能なデスクトップ環境に生まれ変わっています。

AHS(Advanced Hardware Support) repositoryがデフォルトでenableになっており、AHS自体もpre-install対象ともなっているため、当初から最新のハードウエアをサポートするKDEデスクトップ環境となっています。

またPlasma Widgetがあるため、Conkyのpre-installはやめるんじゃないかと思っていましたが、しっかりpre-installし、デフォルトでもKDEデスクトップ上に表示させるようになっています。確かにConkyの方がPlasma Widgetよりも軽いのですが、KDEデスクトップにConkyをデフォルトで表示させるDistributionはかなり稀です。


上記のMX 19.2 KDE editionの基本設定完了後のデスクトップを見る限り、Xfce 4.14とあまり変わらない外観となっていますが、中身はKDEですので実際は大きく異なる点に注意が必要です。

全体的なインストールの流れ、設定項目・内容は、MX 19.2 Xfce editionとほぼ同じですが、KDEならではの設定も一部含まれます。

今回は、MX 19.2 KDE editionに関してインストールから基本設定までを取り上げます。


1.概要

1)ベース:Deian 10 "Buster" stable

2)デスクトップ環境:KDE Plasma 5.14.5

3)カーネル:5.6.0-2-amd64
Meltdown/spectre等HW脆弱性緩和策対応度は・・

まず問題の無いレベルとなっています。

2.インストール(GPT/Legacy Biosケース)

まずインストールメディアでブートし、最初に表示される画面にて、F2キーを押下し、Languageとして”日本語”をセットした後、”ハードディスクから起動"を選択します。

以降は、ブート後のインストールの画面遷移となります。






インストールの流れは、Xfce editionと同じです。

また、MX 19.2 KDE editionではtimedatectlコマンドは使用できませんので(systemdの関係です)、インストール時、タイムゾーン設定箇所で、"System clock uses local time"にチェックを入れています。これは、WindowsとのDual boot構成時、MX使用後にWindowsを使用すると時刻のズレが発生しますが、この現象を防ぐためです。

尚、本体及びブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。

3.初期設定→repository最適化及びシステムアップデート/アップグレード

repositoryの最適化を行い、システムアップデート/アップグレードを行います。

MX repositoryは日本語指定でインストールすると国内サーバーにセットされますので何もする必要はありません(山形大学のrepositoryがセットされます)。

Debian repositoryは国外サーバーのままですので、これを国内サーバーに変更します。
これは、Muon Package Managerを起動し、”設定”→"Configure Software Sources"から。。


以上で”閉じる”ボタンを押下すると、repository updateが開始され、repository update処理の完了後、Muon Pckage Managerの”Full Upgrade"ボタン押下→”Apply Changes"ボタン押下し、システムアップグレードを実行します。
システムアップデート/アップグレード処理終了後、念の為再起動します。

4.日本語化残処理

1)MXパッケージインストーラーによる日本語化パッケージのインストール

MX Toolsを起動し、MXパッケージインストーラーを選択・実行します。
MXパッケージインストーラーのパッケージとして”言語”を選択し、以下の流れに沿って日本語化パッケージをインストールします。
インストール対象として上記にチェックを入れます。
この後、”インストールボタン”を押下します。




2)Firefoxの日本語化

MXパッケージインストーラーによる日本語化パッケージのインストールにより日本語入力環境(fcitx-mozc)のインストール・設定を含む日本語化残処理はほぼ完了しますが、Firefoxに関しては、MX 19.2 Xfce editionと同様、日本語化されません。このため、MX 19.2 Xfce editionと同様、flatpakによりFirefoxのインストールを試みましたが、今度はfcitx-mozcによる日本語入力が、Firefox上にて、できなくなります。MX repositoryのFirefox Japanese language packに問題があるため、Firefox Japanese Language packを拡張機能として追加しても構いませんが、この方法だと、Firefoxのレビジョンアップの都度、本拡張機能のインストールが必要となります。

このため、今回は、FirefoxとFirefoxのJapanese Language packをアンインストールし、Firefox ESR及び、Firefox ESRのJapanese Language packをインストールする事で対応しています。
sudo apt remove firefox firefox-l10n-xpi-ja
sudo apt install firefox-esr firefox-esr-l10n-ja

3)KDEシステム設定:”言語”処理

KDEシステム設定→地域の設定→言語にて以下のように”日本語”を追加します。
4)デフォルトフォントの変更(オプション)

これもいつもと同様ですが、筆者は、noto-cjk-jp系フォントをインストールしてデフォルトフォントにしています。これはお好みに応じて。。
sudo apt install fonts-noto-cjk
システム及びアプリケーションのデフォルトフォント設定は以下を参考に。

① KDEシステム設定→Fonts→フォント

② Firefox


③ Thunderbird


③ Libreoffice-writer


日本語化残処理は以上で終了です。ここで一旦logout/loginします。これでfcitx-mozcによる日本語入力も可能となります。

5.基本設定

1)Conky

①Conky自動起動コマンド

デフォルト表示conkyは、曜日、月等の表示箇所が相変わらず文字化けします。



このため、自動起動コマンドを書き換えるという作業はXfce editionと変わりません(LC_ALL=Cでconkyを起動するように)。メニューから”自動起動”を検索し、”自動起動”を起動します。次に自動起動対象の中でConkyを選択した後、"プロパティ”ボタンを押下→”アプリケーション”タグを選択し、"コマンド"の箇所を以下のように書き換えます。


書き換えた後のコマンド列は以下のようになります。

sh -c "LC_ALL=C sh /home/superjeter007/.conky/conky-startup.sh"

以上処理完了後、logout/loginすると、文字化けが収拾します。


ただし、MX ConkyにてConky Managerを起動し、Conkyテーマを変更した場合は、自動起動コマンドがリセットされるため、再度上記処理を行う必要があります。

②Conkyを全ワークスペースに表示させる(オプション)

デフォルトの、Conky表示は1枚目のワークスペースのみですので、これを全ワークスペースに表示させたい場合、MX Toolsを起動し、この中のMX Conkyを起動します。
MX Conkyの設定項目の下部に"Desktop"設定箇所がありますので、Desktop 1からAll Desktopsにチェックを変更します。これでワークスペース全てにConkyが表示されるようになります。

2)ワークスペース切り替えショートカット

デフォルトでは、マウスホイールによるワークスペースの切り替えは可能になっていますが、キーボードによるワークスペース切り替えは、ショートカット未定義のため行えません。

筆者は以下のように、ワークスペース切り替えショートカット定義を行い、Ubuntu等と同様にキーボードを使ったワークスペース切り替えを可能にしています。

以上で基本設定は終了です。他はKDE特有の設定を進めていき・・例えば筆者が行っているようなパネルの移動、latte-dockのインストール&設定、ワークスペース切り替えアクションの変更、Plasma Widgetの追加等を行って冒頭や末尾に添付したスクリーンショットのようなデスクトップが完成します。

6.評価

軽快性:A、機能性:S、安定性:A、インストール→初期設定→日本語化残処理→基本設定の平易性:B

となります。MXのもととなった、SimplyMEPIS以来のKDE Desktop環境の採用となるわけですが、当時と比較し大幅に軽量化され、機能性も上がったKDE環境を採用したMX 19.2 KDE editionは、当時とは一味違ったポジショニングになります。

Firefoxの日本語化の箇所は、Xfce editionと同様、問題として残りますが、Debian stableベースで見た場合、全体の出来としては俊逸だと思います。

やはり中上級者向けDistributionとなりますが、筆者一押し、おすすめの一本となります。



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