Lubuntu 20.04 LTS "Focal Fossa" 〜最軽量・最新Ubuntu LXQtフレーバー・・ベータではNGだった日本語化、機能性に関して、production品質まで到達できたかを検証する!



Ubuntu/Ubuntuフレーバーの共通した大きな特徴として、基本的に日本語化に関して手間がかからないという点が挙げられます。無論日本語入力に関しても、これに含まれます。この特徴は、他のベースDistribution、例えば、Archベースや、Debianベースを凌駕する大きな利点であり、大部分の初めてLinuxを触る方が、Ubuntu/Ubuntuフレーバーから始める大きな理由となっています。

昨年、年末に筆者は、2019年のLinuxランキングという事で投稿させていただきましたが、この中に、Ubuntu/Ubuntuフレーバーを含めなかった理由は、上記の利点から、Ubuntu/Ubuntuフレーバーをランキングに入れてしまうと、上位を独占してしまうためです。無論評価する際は、日本語化レベルのみでなく、機能性や、安定性、平易性等も見ていきますが、日本語化レベルは、機能性・安定性・平易性以前に国内の一般的なユーザが、使う気になるかならないか決めてしまう重要なファクターであり、評価の重み付けとして必然的に最優先事項・・重くなります。

さて日本語化というファクターでは、主に、2つの側面を見ています。まず、ベース及びアプリケーションの日本語化レベル・・ロケールの設定も含めた、メニューやヘルプ等の日本語化レベルで、デフォルトで過不足なく設定(日本語language packのインストールを含む)がなされているかどうか、次に、日本語input method・・いわゆる日本語入力に関して過不足なく設定(日本語input methodのインストールを含む)が行われているかどうか・・この2つの側面による評価を行っています。

最近の傾向として、ベース及び、アプリケーションの日本語化の難易度が上がってきており、従来のDebパッケージ管理の仕組みに加え、snap等の別のパッケージ管理が同居する事により、煩雑さが増している点がその理由の一つとなっています。。。

Ubuntu/Ubuntuフレーバーの日本語環境に関しては大部分が、デフォルトで使用上問題ないレベルであり、特筆すべき事はあまり無い状況だったわけですが、LXQtをデスクトップ環境として採用したLubuntuに関しては残念ながら不出来であり、アプリケーション等の日本語化部分も注意が必要な状況となっていました。

と・・言うことで、Lubuntu 20.04 LTSとなって、初めて、LXQtがLTSのデフォルトデスクトップ環境となり、ベータの際には残念な結果となっていたわけですが、今回、最終的にどうなったか、4月7日のLubuntu 20.04 LTSベータの投稿(https://www.linux-setting.tokyo/2020/04/lubuntu-2004-lts-focal-fossa-beta.html)に対する答え合わせを行う事とします。

1.概要

1)ベース:Ubuntu 20.04 LTS "Focal Fossa"

2)デスクトップ環境:LXQt 0.14.1(LXQtの最新バージョンではありません)


3)カーネル:5.4.0-26-generic

meltdown/spectre等HW 脆弱性緩和策対応度は・・

サマリーのみのスクリーンショットですが、all green・・問題の無いレベルとなっています。

4)パッケージ管理ソフトウエア(Pre-installed) : Discover、Muon Package Manager


2.インストール(GPT/uefiケース)

ubiquityではなく、CalamaresをGUIインストーラーとして使用しています。










尚、本体、ブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。

3.初期設定

1)repositoryの最適化、システムアップデート/アップグレード

① repositoryの最適化

インストール→再起動→login後、以下のWindowが立ち上がり、システムアップデート/アップデートが促されますが、一旦、このWindowは"Close"ボタンを押下して閉じます。


アプケーションメニュー→設定→LXQt-settingsよりLXQtコンフィグレーションセンターを起動します。

Ubuntu repositoryが国外サーバーになっているため、"Software Sources"を選択・実行し、国内サーバーに変更します。

Download from:を国内サーバーに変更後、"Close"ボタンを押下

repositoryの更新処理を行うため、"Reload"ボタンを押下


以上で、アプリケーション等の更新、インストール時のネットスピードが向上します。

② システムアップデート/アップグレード

LXQtコンフィグレーションセンター中の、”Apply Full Upgrade"を選択・起動し、システムアップデート/アップグレードを実行します。

フルアップグレードを実行しているため、ここで一旦再起動します。

2)時刻の調整(オプション)

WindowsとのDual boot構成時にのみ必要です。Lubuntu使用後、Windows利用時の時刻のずれを解消します。

これは、LXQtコンフィグレーションセンター中の”日時設定”より行います。
”RTCはローカル時刻です”にチェックをいれます


以上で初期設定は終了です。

4.日本語化残処理

1)アプリケーション等の日本語化

少なくともpre-installアプリケーションの日本語化が完了しているかどうか・・これは国内で使用すには必須事項です。

見かけ上、ベース、アプリケーションの日本語化はうまく行われているように見えます。

まず、ベースの日本語language pack(language-pack-ja、language-pack-ja-base)に関してはインストールされているため、このあたりは問題ありません。

次にpre-install アプリケーションの日本語化状況ですが・・、

*Libreoffice→Ok
*Firefox→NG
*Trojita(メーラー)→NG

Firefoxに関しては、Firefoxの日本語language packがインストールされていないため、これをインストールする必要があります。
デフォルトのメーラー:Trojitaは、まだ日本語化されていないため、日本語化されたメーラーを使用したい場合は、Thunderbird等を日本語language packと共にインストールする必要があります。

ターミナルより以下コマンドを投入
→sudo apt install firefox-locale-ja thunderbird thunderbird-locale-ja

Firefox
Thunderbird

GIMPを追加インストールした場合、日本語化されません(gnomeの共通日本語language packがインストールされていないため)。
また、Lubuntu 20.04 LTSはLXQt環境であるため、Qt5アプリケーション等を、Kubuntuと共用しているケースがあり、この場合も日本語化されません。

このため、gnome、kdeの共通日本語language pack(language-pack-gnome-ja、language-pack-kde-ja)を依存関係と共にインストールします(依存関係として、language-pack-gnome-ja-baseも合わせてインストールされます)。

これもターミナルから以下コマンドを投入
→sudo apt install language-pack-gnome-ja language-pack-kde-ja
結果はこんな感じ(GIMPケース)。


以上で初期設定は終了です。

2)日本語入力環境

デフォルトでは、日本語入力はできません。これは、fcitxはインストールされているものの、Mozcがインストールされていない理由によります。

このためfcitx-mozcを依存関係と共にをインストールします(Mozcのみで構いませんが、依存関係の洗い出しが面倒なため、fcitx-mozcをインストールします)。

これもターミナルから以下コマンドを投入
→sudo apt install fcitx-mozc
以上処理終了後logout/loginでfcitx-mozcによる日本語入力が可能となります(fcitx再起動でも構いません)。
以上で日本語化残処理は終了です。

5.基本設定

ここではLubuntu 20.04 LTSのLXQt Windows効果設定上の注意事項を中心にまとめます。

初期状態ですと、Windows効果はほぼ無しの状態となっています。一般的にこれをOnにするためには、

① comptonを利用可能にする(compton(composite manager)はpre-installされています)

これは、LXQtコンフィグレーションセンター中の"LXQtセッション設定"から行います。



②レンダリングエンジンをXからOpenGLに変更する

これは、LXQtコンフィグレーションセンター中の"ウインドウ効果"から行います。


以上、①、②の処理が完了すると、KDE環境以上の強めのWindow効果が、Lubuntu 20.04 LTS上で適用されます。

ところが、②で使用する”ウインドウ効果”が結構バギーであり、ここを触ると、デスクトップのフリーズが多発します。

このため、GLXに変更した時点で(ここでもフリーズする可能性がありますが)、"ウインドウ効果”を触るのは止めて、あとは、自分でcompton.confを書き直し(作成し)、透明度や、影を調整した方が無難です。

compton.confを書く自信がない場合は、Window効果は派手にかかりませんが、②の処理は止めた方が良いと思います。

6.評価

軽快性:A+、機能性:A、安定性:B、インストール・初期設定・日本語化残処理の平易性:C

となります。結論として、ベータの際に筆者が指摘した箇所は治りませんでした(^^;。軽快性に関しては、login直後のメモリー消費量は500MBを下回るため、極めて優秀です。機能性もLXQtになって上がりました。日本語化残処理に関しては、一部日本語language packインストールの欠落、fcitx-mozcのインストール不備があり、Ubuntuフレーバーの中では、Cランクとしています。

基本設定で指摘した箇所は、正常動作すればcompton.confを書く必要もなく◎ですが、動きませんので、甘い評価ではありますが、安定性の部分はBという評価にしています。

今回、紹介した内容で、Lubuntu 20.04 LTSを設定すれば、LXQt環境として使用上あまり困らない環境となります。軽快性は、Ubuntu、Ubuntuフレーバーの中でNo1となりますので、今回指摘した課題の箇所が、今後修正されていけば、人気はダントツとなる可能性があります。

国内で使用する場合、Ubuntuフレーバとしてproduction品質になっている・・とは言い難い状況ですが、完成デスクトップは◎となります。

中級レベル以上の方におすすめの一本という結論です・・(^^;。

注意)冒頭、及び末尾のスクリーンショットは、パネルをデスクトップ下部から上部へ移動、またconky、plankをインストールし、表示させていますので、オリジナルデスクトップとは異なる点に注意ください。


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