Solus 4.1 "Fortitude" ~人気の独立系Linux Budgie editionを検証する!

国外では非常に人気の高いアイルランド産独立系Solus 4.0が久々にレビジョンアップし、Solus 4.1となりました。本ブログにおいても、昨年、リリース直後のSolus 4.0について取り上げましたが、日本語化に関して言えば、アプリケーションの日本語化に関しては◎、日本語input methodに関しては、iBus-Anthyに限られる&若干設定に手間が必要・・みたいな事で筆者の評価としては○までいかず×に近い△・・、でも、手間はそんなにかかるものではありませんでした。

さてSolusが独立系・・と言われる所以は、パッケージ管理にPiSiのforkであるeopkgを使用している点があるためですが、それ以外のlinuxのコマンド自体はそう変わるものではありません。また、eopkgを使用しなくてもSoftware Centerを使えば概ね事足りるため、大きな問題にはならないでしょう。

Solus 4.1のデスクトップ環境には、メインデスクトップ環境であるBudgie以外にGnome 3、 KDE Plasma 5、Mateがあります。Solus 4.1 Budgie editionの日本語Input methodのインストール&設定の内容から考えてみると、Gnome 3と、KDE Plasma 5においては大きな問題が発生しないと思われますが、Mate editionでは、割にどつぼる可能性があります。BudgieはSolusのために開発されたデスクトップ環境であるため、Solusの投稿では必須で取り上げる必要はありますが、Mate editionに関しては、どつぼるか・否か若干興味があるため、時間があれば検証してみようかと思っています。

と言うことで、今回は最新Bugie デスクトップ環境を搭載するSolus 4.1 Budgie editionに関して取り上げます。


1.概要

1)デスクトップ環境: Budgie 10.5.1(Solus 4.0→10.5)

2)Window Manager:Mutter

3)カーネル:5.4.12-144(Solus 4.0→4.20.16-112)

2.インストール(GPT/EUFIケース)

Solusは今回始めてGPT/UEFIにてインストールしましたが、RuFusにてUSB インストールメディアを作成する際、"ISOイメージモードで書き込む"を選択するとうまくブートしません。書き込みモードは"DDイメージモードで書き込む”を選択する必要があります。

次に上記インストールメディアでブートすると、下記のような選択画面が表示されます。
”Solus 4.1 (Budgie)”を選択しエンターキー押下でSolusが起動します。

以下はインストールメディアでブート後のインストールプロセスとなります。本体及びブートローダーのインストール先は環境依存のため参考になりません。
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2.初期設定

 1)システムアップデート・アップグレード

 これは、Software Center→”更新”タグから・・
(独立系のため、国内にrepositoryはありませんのでrepository最適化処理は不要です)
更新対象に全てチェックを入れ、”選択項目を更新”を押下
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3.日本語化残処理

pre install アプリケーションの日本語化はJapanese指定でインストールする事により完了します。
ただし、日本語input methodに関してはiBusがインストールされているものの・・
Anthyがインストールされていないため、AnthyをSoftware Centerからインストールする必要があります。(現在の所、依然としてSolusで使える日本語input methodはiBus-anthyのみです。)
 次に”設定”→”地域と言語”に入り・・

キーボードレイアウトとして”日本語”のみ設定されているため、+ボタン押下→”日本語(Anthy)を選択・追加します。
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Ubuntu Budgie等、各国語サポートが考慮されたMutter系デスクトップ環境だと、上記設定が完了すれば半角/全角キー押下で日本語入力が可能となりますが、Solus 4.1はダメです。上記順でないと、login直後にiBus-Anthyによる日本語入力モードになってしまいますが、とりあえず日本語入力を可能にするため、以下のように"日本語(Anthy)"を最上位に変更します(この際、”日本語”は削除しない事。これを削除してしまうと、デフォルトキーボードレイアウトが英語キーボードになってしまうため)。
次に"IBusの設定”を起動し、"General"タグの"Next input metod"のキーバインドをZenkaku_Hankakuに変更し、"Input Method"タグにて日本語-Anthyと日本語-Japaneseを追加します(ここは日本語-Anthyの追加だけでも大丈夫です。一般的に切り替え先がない場合、デフォルトキーボードレイアウトに変更するためです。)

以上で、iBus-Anthyの設定は終了です。login直後にiBus-Anthyによる日本語入力モードになってしまいますが、これは一旦、半角/全角キーを押していただいてOffにして使用する・・という事になります。無論、再度、半角/全角キー押下でiBus-Anthyによる日本語入力モードになります。

4.基本設定

 1)時刻調整

自動日時設定をOnに・・


windowsとマルチブートしている場合の時刻のずれが気になる方は、timedatectlコマンドを使って、以下の処理を(Manjaro 18.1.5 KDE editionの投稿内容と同)・・

2)デフォルトフォントの変更

これはお好みに合わせてという事になります。Solusのrepositoryにはnoto cjk jpフォントが存在しますので、筆者はこれをインストールしてデフォルトフォントをnoto cjk jpタイプのフォントに変更しています。

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5.評価

安定性:A、インストール・初期設定・日本語化残処理の平易性・基本設定の平易性:B+、軽快性:B+、機能性:A(デスクトップ環境)、日本語入力環境のでき:C

こんな所です。Solusは辛うじて日本語入力環境が作れますが、他のDistributionと比較すると日本語入力環境の出来はCランクという評価をつけざるおえません。軽快性に関しては割に優秀で、Budgie appletを使用しなければlogin直後の消費メモリーは500MB後半となります。機能性の面で気になる所は、Ubuntu Budgieの方が、デスクトップに表示可能なappletの数が多く、Solusの場合は、天気予報のみ・・本家本元の方が少ないという点でしょうか。デスクトップ自体の機能性は無論◎です。

意外にスマートなデスクトップ環境を持っており、pre-installアプリもほどほどですが、国内で使用するならば、Ubuntu Budgieの方が平易性の観点でお勧め・・って事になります。

(ちなみに冒頭及び以下のデスクトップは、ConkyやPlank等は使わず、Budgie applet及びパネルのドック機能のみを使用して構成しています)

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