Zorin OS 15 Lite 〜少なくともGPT/UEFI環境にインストール/設定する際には要注意・・良くは出来てますが(-_-;)・・

 
Zorin OS 15 Coreの軽快版・・Xfce 4.14を採用したZorin OS 15 Liteですが、GPT/UEFI環境下におけるインストール及び設定は難航を極めました。Zorin appearanceが起動できない問題の切り分けと、日本語化に必要なlanguage packが過不足なく入っているのにもかかわらず、GIMPが日本語化できない問題に対する対処をどうするか・・という点で試行錯誤が必要だったため、リリース直後に投稿するのは無理だったという事だったんですが(-_-;)。。Legacy Biosや、仮想環境にインストールする場合は検証してませんので、あしからず。。多分、これらの環境での検証は他のブログ等で紹介されていると思いますのでそちらを参照ください。


まず、GPT/UEFI環境でインストールした直後のスクリーンショットは以下のような感じになります。
この壁紙を見た瞬間かなり嫌な予感はしたんですが。。

GPT/UEFI環境下で、日本語指定によりインストールすると、いつものようにアプリケーションのメニュー等の日本語化・・いわゆるデスクトップの日本語化は問題なく完了し、fcitx-mozcによる日本語入力も問題ありません。ただし、壁紙がxfce4.14のデフォルトに戻ってしまっており、Zorin OS 15 Liteの壁紙がセットされないという今までのZorinからは考えられない状況が発生しています。さらに、アプリケーションメニューから、 Zorin Appearanceを選択・実行してもZorin Appearanceが起動しない・・とか。。
zorin-appearanceをターミナルから実行した際のエラー出力状況
そしてGIMPに関しては、必要なlanguage packが導入されているにもかかわらず、日本語化がどうしてもできない・・とか。。
これらの問題が発生したため、検証を行い、今回の投稿に至ったという流れとなっています。

とりあえずは、インストール→初期設定に関する投稿を進めてその後問題に対する考察を行っていきます。


1.概要

1)ベース:Ubuntu 18.04.3

2)デスクトップ環境:Xfce 4.14(最新Xfce4)

3)カーネル:5.0.0-37-generic(HWE適用済み)

2.インストール(GPT/UEFIケース)

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いつものように、本体、ブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。

3.初期設定

1)システムアップデート・アップグレード

再起動後、ソフトウエアの更新windowが表示されますので、”今すぐインストールする”ボタンを押下して実行するだけです。
ちなみにrepositoryは国内サーバーにセットされていますので、変更の必要はありません。

2)壁紙の変更

GPT/UEFI環境下でZorin OS 15 Liteをインストールすると、Xfce 4.14のデフォルトの壁紙が表示されるように設定されるため、これを、Zorin OS 15 Liteの標準壁紙に変更します。壁紙のディレクトリが"/usr/share/backgrounds/xfce"となっていますが、これを、"/usr/share/backgrounds"に変更すればZorin OS 15 Lite標準の壁紙が見つかりますのでこれをセットするだけ。。

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以上で初期設定は終了です。日本語指定でのインストールのみで、GIMPのメニュー等の日本語化を除き、アプリケーション等のメニューの日本語化が完了し、fcitx-mozcによる日本語入力もできるようになります。相変わらずこのあたりは極めて優秀です。


 4.基本設定

 1)不要な言語サポートの削除

Zorin OS 15 Liteは、多くの言語サポートがインストールされていますが、日本語と英語以外は使いませんので、不要な言語サポートを削除してしまいます。

この作業は、設定マネージャー→言語サポートを起動し、”言語のインストールと削除”ボタンを押下、この後、”英語”と”日本語”以外の言語サポートのチェックを外すことによって行います(ロシア語や、中国語、ドイツ語、フランス語等多くの不要な言語サポートのチェックを外します)。
英語と日本語の言語サポートのみチェックし、適用ボタンを押下します
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以上で不要な言語サポートのアップデートは行われなくなります。

  2)パネルアイテムの調整:パネルの時間/曜日表示箇所の修正等

デフォルトでは、"火17:03"のような表示フォーマットになっており、またツールチップの形式が、欧米風の日時の並びになっていますので、これを修正します。
例えば以下のような感じに。。

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他、好みに合わせて、パネルアイテムの追加を行います。例えば天気予報や、ワークスペーススイッチャー等。。

 3)DockBarX(DBX)のコンフィグ

これは必要に応じて・・という事になります。

Zorin OS 15 Liteは、パネルにDockBarX(DBX)を埋め込んでおり、これにより、ドックの機能を提供しています。

DockBarX(DBX)のコンフィグは、パネルの設定を起動し、”アイテム”からDockBarXを選択、右側にある目玉のようなアイコンを押下すると表示されるDockBarX Preferences Windowから行います。ここでは、DockBarXの背景色の変更やその透明度等を変更できます。

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上記例では、DocBarXの背景色を薄いブルーに変え、透明度(Alpha)を53にセットしています。

5.問題点に関する考察

1)Zorin appearanceが起動しない点に関して

 Zorin appearanceは、日本語指定でインストールすると起動しません。ただし、英語環境では問題なく起動します。
英語指定でインストールし、言語サポートを使って日本語化した直後(logout/login後)でも、問題なく起動します(日本語化されます)。

ただし、再起動すると・・Zorin appearanceは起動しません。試しにターミナルからこれを起動すると冒頭で紹介したエラーメッセージをはきZorin appearanceが起動しない結果となります。

日本語化処理がなんらかの悪さをしているようですが、Zorin OS 15 Coreと比較し、デスクトップの外観タイプが2種類と少ない点、他の設定要素はXfce 4.14の”外観”から変更可能なため、あまりインパクトは無いという判断をしました。

2)GIMPが日本語化されない点に関して

Zorin OS 15 Liteに含まれるGIMPのバージョンは、Zorin OS 15 Liteのインストール時点で、2.10.8・・from Zorin repositoryとなっており・・Ubuntu 18.04 LTS系GIMPのメッセージカタログとの整合性があっていない可能性があります(日本語メッセージカタログまで考慮されていない雰囲気)。GIMPについてはメニュー等が英語でもそこそこ使えますが、どうしても日本語にしたい場合は、一旦、pre-installされているGIMPを削除し、Zorin ソフトウエアを使って、snapのGIMP 2.10.12をインストールすれば、日本語化されたGIMPを使う事ができます。
 
ZorinソフトウエアでGIMPを検索→最上位のGIMPがsnapのGIMPとなります。




6.評価

軽快性:A、インストール・初期設定・日本語化の平易性:A、安定性:A、機能性:A、インストール直後の品質:B(GPT/UEFIケース)

となります。 仮想環境や、legacy bios環境下での検証は行なえませんので、今回紹介した問題は、GPT/UEFI環境下特有の可能性があります。

少なくとも、GPT/UEFI環境下でのインストール直後の品質は、今回発生した問題からAランクはつけられませんが、他の項目はAll Aという評価です。

あと半年以内にUbuntu 20.04 LTSがリリースされるこの時期にようやくリリースされてきたZorin OS 15 Lite。。良くはできてるんだけど、筆者の環境では・・どうかなという感じだったのが残念(^_^;)。。ある程度問題収拾した後の環境は軽快性、機能性、安定性抜群なんですが。。

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