Voyager GE 19.04 〜高機能・高カスタマイズVoyager Gnome shell Editionが、Ubuntu 19.04ベースになっての登場です・・!

フランス産Voyager Linuxの本流は、変わらず、Xubuntu 18.04.2 LTSベースですが、次期長期サポートバージョン20.04 LTSに向けて、チャレンジ的存在となるVoyager GE(Gnome shell Edition)をリリースし、品質・機能性を順次向上させてきています。

Ubuntu 18.10ベースのVoyager GE 18.10では、当初、特に各国語サポート等に関して、問題を抱えており、日本語化には一苦労しましたが、4回目のアップデート Voyager GE 18.10.3において、これらの問題は収拾され、品質は大幅に向上しました。

また、本流のVoyager 18.04.2の機能性をgnome-shell-extension等で順次カバーしてきており、Voyager特有の機能性を制御するBox VoyagerもGnome3環境に最適化するよう工夫がなされています。

開発・調整段階のVoyager GE 19.04ですが、筆者が見た限りすでにプロダクション品質であり、来年予定されている長期サポートバージョン20.04 LTSに、Voyagerの新しいメンバーとしてVoyager GE 20.04 LTSが加わるかどうか、非常に楽しみな状況となっています。

今回は、Voyager GE 19.04の初期設定、日本語化残処理、基本設定を中心に投稿を進めていきますが、新しくなった機能性、設定上の注意事項に関してもできるだけ触れていきたいと思います。


1.概要


1)ベース:Ubuntu 19.04 "Disco Dingo"

2)Gnome : Gnome 3.32

3)カーネル:5.0.0-13-generic

meltdown/spectre HW脆弱性緩和策適用度は・・・
無論、問題のないレベルとなっています。

4)ドック:Dash to Dock(Gnome-shell-extension)

5)指紋認証メカニズムの追加:Management Interface FingerprintGUI - Digital Enpreintes(新):ただしこれは指紋読み取り機器が必要です。

主な所はこんな所です。

2.インストール

 インストールの流れはUbuntu 19.10と同じです。スクリーンショットを以下に示しますが、本体、ブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。

Languageとして”日本語”を選択
今回は、"Voyager Live"を選択し一旦ブートします。

 ブート後、デスクトップ上のインストーラーをキックしインストールを進めて行きます。

2.初期設定、日本語化残処理

1)初期設定

①初期設定メニュー

インストール終了後再起動すると初期設定メニューが自動起動します。
この設定内容は、Ubuntu 19.10と同じとなります。
オンラインアカウントの設定→筆者はgoogleのみ設定
改善に貢献するかどうかを指定→筆者は貢献しないほうへ
 ↓
ロケーションサービスのOn/Off→筆者はOnに
②システムアップデート・アップグレード

Ubuntu repositoryは修正の必要はありません。
Software Updaterを立ち上げ、”Setting"を押下、Ubuntu Softwareタグを選択すると、すでに、Ubuntu repositoryが国内サーバーにセットされているためです。

Software Updaterにより、システムアップグレードの処理を行います。

③日本語化残処理

language supportを起動し、不足言語パッケージをインストールします。
 ↓
 この後、”システム全体に適用”ボタンを押下してlanguage supportを終了します。

次に通常は、logout/loginを行えば、日本語化残処理はほぼ終わりとなりますが、システムアップグレードを②で行っているため、再起動します(logout/loginのみではVoyagerが不安定な動きをするため)。

再起動後、以下のようにパネルのIM Indicatorをマウスで選択し、日本語(Mozc)を選択すれば、以降、iBus-Mozcによる日本語入力が可能となります。

 ↓
 ↓
半角/全角キー押下で、日本語入力のOn/Offができます
3.基本設定

1)Conky startupスクリプトの修正

デフォルトでデスクトップ上に表示されるConkyは日時の表示箇所に文字化けが発生します。これを収拾するためには、Conkyテーマの中の該当箇所のフォントを日本語表示可能なフォントに変更するか、英語モードでConkyを立ち上げるかいずれかの方法を取る必要があります。毎回Conkyテーマを修正するのは大変なので、英語モードで立ち上げます。

”自動起動するアプリケーションの設定”をキックし・・
 ↓
Conky Controlを選択して編集
 ↓
 ↓
上記箇所に"LC_ALL=C"を挿入して保存
 ↓
logout/loginでConkyの文字化けは収拾・・
上記処理で、Box VoyagerのConky Controlで設定する全Conkyテーマが、英語モードで表示されます。

2)openwether gnome-shell-extensionの表示地域の修正

openweather gnome-shell-extensionでパネル上に天気予報を表示していますが、デフォルトの表示地域を自分の住んいでいる場所に変更します。
表示されている天気予報画面の右下隅の歯車アイコンをクリック
 ↓
地域を追加(筆者は八王子を追加)
 ↓
デフォルト設定されている地域を削除
 ↓
 ↓
八王子の天気予報が表示されます

3)テキストベース天気予報に関して

.bash_aliasesでは、ターミナルでテキストベース天気予報を表示させる定義("meteo")がなされていますが、デフォルトでは機能しません。
curlを導入し、"meteo"と打てば・・・
居住地域の天気予報が表示されるようになります。

4.gnome-shell-extensionのFirefox拡張に関して

Box Boyagerでは、gnome-shell-extensionの処理が行えるようになっていますが・・
この機能を使用するためには、Firefoxに対し、gnome-shell-integrationの拡張機能をインストールする必要があります。

4.評価

機能性:S、軽快性:B+、安定性:A、インストール・初期設定・日本語残処理の平易性:A、基本設定の平易性:B+

となります。ドロップダウンターミナルもF1キーで起動、.bash_aliasesで定義されている機能、gnome-shell-extensionで実現されている機能、Box Boyager機能等・・・デスクトップの機能性は、トップクラス・・Gnome 3環境の中では、他の追従を許さないSランクレベルの機能性となっています。

やはりUbuntu base/gnome 3環境の中では、筆者一押し、非常にお勧めの一本となります!・・

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