sparkylinux 5.6.2 〜debian tesing baseのsparkylinux最新版でonedriveをsettingしてみる!・・。


Debian testingの中では、イケてる線ではあるものの・・lxqtの独特な設定も必要であるのと、時々、何やっちゃってくれちゃうのよ・・みたいな事もあって、正直言うと初心者向け・・とは言い難いdistributionですが、少なくとも使える環境まで持っていくのは、簡単な部類に入ります。

ただし、冒頭のスクリーンショット2枚目のような外観や自分好みの使い勝手を実現するためには、それなりの労力が必要となります。WMはopenboxを使用していますが、これにlxqtの設定も絡むため、基本設定以外の応用設定や細かい箇所の設定は難易度が低いとは言い切れません。

lxqt自体が開発途上という事もあって全体的に整理されていない箇所が多く、このあたりは、触りながら押さえていくしか現在のところ道は無いものと思います。

sparkylinuxにはsparkylinux 5.5の投稿の際にも説明しましたように、debian stable(stretch)ベースのバージョン4.xと、debian tesing(Buster)ベースのバージョン5.xの2系統があり、安定性に重きを置く場合は、デスクトップ環境をlxdeとするバージョン4.xを選択すべきです。

今回もdebian tesing(Buster)ベースの最新版sparkylinux 5.6.2を取り上げますが、これは、今回投稿の主題、onedriveをsettingするために必要だったため・・。

と・・言うことで・・今回の主題・・、debianで、onedrive free clientをビルドせずに使うためには・・という内容なんですが、実はdebian向けonedrive free clientはdebian repositoryから取れるようになっています。

取れる対象は、debian testing(Buster)とdebian sid(Debian unstable)のみ。すなわちdebian stableではgitからソース持ってきてビルドという作業が必要ですが、debian testingとdebian sidに関しては、repositoryから取れるためビルドするよりは簡単にonedrive環境が構築できる・・という事を意味します。

sparkylinux 5.6.2の設定に関しては、既にsparky linux 5.5で投稿していますので、今回は簡単に、特に、あれ?これ違ってるといった箇所のみ投稿対象とし、あとは主題に移って書いていく事とします。


1.概要

1)デスクトップ環境 :LXQt 0.13.0/sparkylinux 5.5とバージョンは同じ
2)Window Manager : OpenBox

3)カーネル:4.20.3(現時点)/2019.1.16にリリースされた最新カーネルとなります

meltodown/spectre HW脆弱性緩和策適用度は以下の通り。
さすがにこれも問題はありません。◎です。

2.日本語化と基本設定

日本語化と基本設定の流れは、sparkylinux 5.5と変わりません⇒本ブログの以下投稿記事を参照ください。

https://www.linux-setting.tokyo/2018/11/sparkylinux-55-lxqt-testinglxqt.html

インストール後初login時に表示される初期設定メニューにて概ね使えるところまで持っていける所は◎だと思います。

設定時あれと思った箇所はcomposite managerのインストールの箇所なんですが。。

sparky-comptonの依存関係のインストールがうまくいかない場合は以下の4つを同時にインストールするようにすれば問題は発生しません。
本インストールにより、LXQtセッションの設定⇒基本設定⇒"LXQtモジュール"最上部にCompton(X Compositor)が表示されますので、これにチェックを入れれば以降、composite処理が有効となり、透過等が効くようになります(ただし以下スクリーンショットはkvantumを追加導入しデスクトップの外観を調整した結果となっていますのでデフォルトでは以下のような外観は作れません。透過は効くようになりますが・・。)。
他追加設定として、peppermint 9のice ssb managerをインストールして日本語オフィスオンラインをワンタッチで使えるようにしていますが、これはlxqt環境でも使えるかどうかを確認したかったため⇒問題なく使用できます。ice ssb managerのインストールに関しては以下、本ブログの投稿記事を参照ください。

https://www.linux-setting.tokyo/2018/12/linux-mint-191-tessa-xfce-editionlinux.html

3.debian testing repositoryからonedriveを設定する

と・・言う事で主題に入っていく事にします。
流れとしては・・

1)onedrive free clientのインストール
2)onedrive free clientの設定

となります。 ではまず1)から。。

1)onedrive free clientのインストール

これはsynapticから"onedrive"を選択・インストールするだけです。ここでインストールできるonedrive free clientのバージョンは、2.2.1-1です。
onedrive free clientは、debian testing respositoryの"main"セクションにいますが、仮に"onedrive"がsynapticに表示されない場合(debian testing repositoryを使用していないdebian testing distribution等)は、repositoryとして以下を定義し、再読込をすれば表示されるようになります。

2)onedrive free clientの設定

① onedrive free client configファイルの設定

まず、1)によってインストールされるパッケージですが以下のようになっています。
設定を進める事前準備として、/usr/share/doc/onedrive/configを自分のホームホルダー直下、.config/onedrive/にコピーします。.config配下にonedriveディレクトリが無い場合は作成する事。

.config/onedriveディレクトリー配下にコピーしたconfigファイルではOneDriveとの同期対象としてスキップするファイルを定義できます。

例えば筆者は、ローカルディスクが圧迫されるため、画像、動画フォーマットのファイルは同期対象から外しています。特定のファイルを同期対象から外す場合、configファイルの中で、skip_file =に指定します。

筆者が同期対象から外しているのは、サフィックスとしてpng、jpg、mpg、mp4、mp3がついているファイルとなりますが、これは以下スクリーンショットのようなconfigファイルの記述でいけます。

② 同期対象フォルダーの作成

OneDriveと同期させるローカル側(Debian testing側)のフォルダーの作成を行います。

デフォルトでは、ホームフォルダー直下のOneDriveディレクトリとなりますので、これを作成します。

以上で事前準備は終了です。

③ondrive free clientの認証と同期

onedrive free clientを使用するためには、OneDrive認証と同期(1回目)が必要です。
これを行うためには以下コマンドをターミナルから実行します。

onedrive --synchronize
次にターミナルに表示されるhttps://login〜の箇所にカーソルを持っていき右マウスボタンクリックでメニューを表示させて、Open Linkを選択・実行します。
するとMS OneDriveの認証プロセスがFirefoxを経由して起動します。
OneDriveのMSアカウントとパスワードを順次入力していき認証を通していきます。
認証の最後に以下のようなブランクのページがFirefox上に表示されます。
上記、モザイクの箇所のURLをコピーし、再度ターミナルに戻って、Enter the response uri :と表示されている右横にペーストし実行キーを押します。
すると、configファイルに書いたskip対象ファイルを除き、同期処理が、MS OneDriveとホームフォルダー直下のOneDriveディレクトリの間で開始されます。最初の1回目は、ローカル側の同期対象フォルダーには何も無いため、MS OneDriveから同期対象ファイルをすべてダウンロードする・・という事が行われます。

④onedrive free client自動起動処理

正確には自動起動処理・・というのは言葉が足りないんですが、わかりやすためこちらの表現にしています。

ターミナルで以下コマンドを順番にうち、自動起動⇒モニタリング&同期処理を行わせるように設定します。

systemctl --user enable onedrive
systemctl --user start onedrive

以上でonedrive free clientの設定は終了です。

3)onedrive free client使用上の注意事項

ローカルからOneDriveへの同期処理は早いんですが、OneDriveからローカルへの同期処理ははっきり言って遅いです。このあたりは使う際、注意が必要です。

sparkylinux 5.6.2の評価はsparkylinux 5.5と同じです。

また、kvantumの設定方法についても書きたかったんですが、長くなっちゃいますので、別の機会に・・。
 

という事で、今回の投稿はここまでとします。。

コメント

  1. onedriveの導入で苦戦していた時にこの記事を読ませていただき、光明を得た感じで取り組みました。大変参考になりました。ありがとうございます。
    ただ、OSはMX-Linux19ですが一部うまくインストールができません。何か情報があれば頂きたいです。
    上記情報通り、synapticから"onedrive"の選択はできず、 testing distributionを追加したのですが、適用で大量のソフト入れ替えが起こりました。onedriveのinstallは手順通りに完了(同期が始まった)したのですが、逆に消えてしまったソフトが出てき(hardinfoなど)、致命的なのは無線LANが切れてしまいました(network managerが消えている)。synapticの設定の仕方に問題があると思うのですが対処が分りません。単純に testing distributionをrepoに追加しただけです。
    よろしくお願いします。

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    1. 当時のsparkylinux 5.6.2はdebian testing baseであり、本記事はDebian testingをベースとするDistributionにのみ有効です。MX 19はDebian stableベースで、MX独自機能や、新しいアプリケーション等の対応には、MX 19の独自repositoryを使用するようになっています。MX 19で、Debian testing repositoryを有効にしてしまうと、update処理経由で、MX 19に搭載されるDebian stableのライブラリ、アプリケーションは全て、Debian testing repositoryのものに置き換えられます。結果、MX 19の環境は概ね原型を失います(バックアップが無い限り元には戻りません)。仮に、Debian stableベースのDistributionにてOnedriveを使いたいという事であれば、githubからソースをダウンロードし、自分でmakeするという方法を取るのが一般的です。

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    2. letslinux001さん。丁寧な解説、ありがとうございます。同じdebianでもディストリビューションによって使っている体系が異なるのですね。ご指摘の通り、testingベースに書き換えたことで原形をとどめずにいろんな機能がなくなってしまいました。
      githubからダウンロードするしかないみたいですね。実は、これまでもその方法でやってみたのですが、ubuntuやmintではうまくインストールできるのですが、mxでは最後にonedriveへ接続に行こうとしてprotocolエラーが出てしまい、なかなかうまくインストールできず、苦戦しています。
      いろいろトライ&エラーしながらゆっくりやっていきます。

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