Bodhi Linux 5.0.0 apppack〜Ubuntu 18.04 LTSベースの中では最軽量・軽快、でも日本語化・基本設定は難易度高し( ^^ ;

さて、antiXの投稿に引き続き、軽量・軽快なんだけど・・日本語化や設定の難易度が高いっていう特徴をもったBodhi Linux 5.0.0に関してです。

Bodhi Linux 5.0.0・・Ubuntu 18.04 LTSベース、デスクトップ環境はMoksha(Enligthenmentベース)・・有名どころのUbuntuベースの中では最軽量・軽快タイプのDistributionですが、今回はpre-installアプリケーションが豊富なBodhi Linux 5.0.0 apppackに関して投稿を進めていきます。

さて、Bodhi linuxですが、操作性が、一般的なUbuntu baseとは激しく異なるという点、日本語化や基本設定の難易度が高いという事もあって、なかなか他の有名どころのUbuntu baseと比較して、日本国内で爆発的な人気が出る・・とまでは行っていません。

ただしデスクトップの機能性は非常に豊富な割に軽快性はUbuntu baseの中でトップレベルであり、設定後の安定度もまずまずのため、日本語化や設定、操作性の方式を押さえる事が重要です。ここは慣れの問題というしかありません。

さすがに初期状態で200MB台のメモリー使用量を誇るantiXと比較すれば、その軽快性は劣りますが、lubuntuと同等あるいはそれよりも軽快な挙動を実現しています。

BodhiのMokushaデスクトップの機能性やwindow効果の効き方を体感すると、この軽快性は信じがたいところなんですが・・デスクトップ上でマウス右ボタンクリック・・でメニューが表示されるんじゃなく、左ボタンクリックでメニュー表示されたり・・とにかくデスクトップ機能はロードしないと使えない・・みたいな箇所は最初、戸惑ってしまうDistributionだと思います。

逆に、この”デスクトップ機能はロードして使う”というステップを押さえておけば、日常的な使い方においてBodhiを攻略できるという事になります。

という事で、早速Bodhi Linux 5.0.0の概要から解説をしていきます。

1.概要

1)デスクトップ環境:Mokusha 0.3.0 (Enligthenmentベース)


2)ベース:Ubuntu 18.04 LTSベース

3)カーネル:4.15.0-20(Ubuntu 18.04 LTS初期状態と同じ)

カーネルのレビジョンアップは意図的に行っていないと考えられます。
(現行のUbuntu 18.04の最新カーネルは、4.15.0.42です。)

このためmeltdown/spectre HW脆弱性緩和策対応度は、以下のように下がります。
これらは、今後のBodhi Linux 5.0.0のレビジョンアップ版で対応するものと考えられます。

4)アップグレード

Bodhi Linux 4.x(Ubuntu 16.04ベース)からのアップグレードは行なえません。クリーンインストールが必要となります。

2.インストール

インストールに関しては、一般的なUbuntu baseと同じですが、日本語指定でインストールしてもjapanese language packや日本語input method(Fcitx-mozc等)のインストールは行われません。インストールの流れは、一点を除き一般的なUbuntu baseと同じですので割愛します(本ブログで既に投稿済みのVoyager OS 18.04.1.1等のUbuntu baseのインストール方法と変わりませんのでそちらを参照ください)。

異なる一点は、キーボード設定画面が出てきませんので、日本語キーボードセッティングが行えない所です。

3.基本設定と日本語化処理

1)システムアップデート/アップグレード

ターミナルから、sudo apt update;sudo apt upgrade を実行します。
 この際キーボード設定が行えますので、以下のように日本語キーボード設定を行います。
ここで設定されるキーボードは”pc105"です。このためここを"jp106"に変更します。
これはターミナルから、sudo epad /etc/default/keyboard を投入し、以下のように変更して保存します。
 ↓

以上で一旦再起動すれば、日本語キーマップになります。

2)日本語化処理

①japanese language pack、日本語input methodのインストール

Bodhi Linux 5.0.0はインストール時japanese language pack及び日本語input method一式が導入されません。したがって日本語化ステップに入る前にこれらを手動でインストールします。

インストールするものは以下の通り(synapticを使用しています)
上記のうちどちらかを選択すれば他方も依存関係のためインストール対象となる
上記のうちどちらかを選択すれば他方も依存関係のためインストール対象となる
上記はlibreofficeのjapanese helpを指定しているが、libreofficeの日本語localeファイルも依存関係のためインストール対象となる

②日本語フォントのインストール

必要最低限のものとしてここではnoto-cjkとvlgothicをインストールしています。


③日本語化処理

③−1 language setting機能のロード

日本語化処理のコツは、languageセッティングの機能性を”ロード”した後、言語設定を行うという流れを押さえる事です。デフォルトでは、これが”ロード”されていません。

Menu→Setting→Module setting(あるいはModule)を起動後、Settingタグに移り・・以下のように"Language"をLoadボタンを押すことによって”ロード”します。これによって言語設定が行えるようになります。
 ↓

③−2 language setting機能による日本語化

Menu→Setting→Setting Panel(あるいはSetting)を起動し"Language"タグに移ります。

この中にLanguage settingがありますのでこれを選択し、さらに日本語を選択した後、Applyボタンを押します。
これで日本語表示されるようになります。
この後、”入力方式の設定”を選択し、さらにfcitx-mozcを選択した後、適用ボタンを押します。

上記処理完了後、logout/loginでfcitx-mozcを使用した日本語入力が可能となります。

4.他基本オペレーションや、設定等

1)基本オペレーション

①デスクトップメニュー表示

デスクトップ上ではマウス左ボタンクリックでメニュー表示されます。

②ホームフォルダー

ホームフォルダー内には”画像”、”ドキュメント”等のフォルダーが自動生成されません。
これは手動で作成する必要があります。

2)他設定

①ソフトウエア・ツール等のインストール

これはデスクトップ下部に配置されたパネルの左端の”メニュー”右横にある"midori"のアイコンを叩き、App Centerに移動してリモートインストールという形態をとります。
ここから、各カテゴリのソフトウエア、Mokusha Module、Mokushaテーマやツール群がインストールできます。Mokusha Moduleはデフォルト、パネル上に表示され、その後、デスクトップに移動できます。

ただし、Mokusha Moduleを有効にするためには、これもまた、Module setting(あるいはModule)を使用して”ロード”する必要がありますので要注意です。
 筆者のデスクトップでは、ドック”Engage"、”Screenshot-Advanced”、"Weather"、”Memory Usage”をインストールし、”ロード”後、パネルやデスクトップに表示させています。

5.評価

軽快性:S、日本語化・基本設定の平易性:C-、機能性:A、安定性:A-、操作性:C-

評価としてはこんな所でしょうか。。操作性という評価ポイントをいれていますが、他のUbuntu baseと比較すると、あまりにも操作性が異なるため、評価は低くなっています。

また、デスクトップ機能性は実は高いのですが、meltdown/spectre HW脆弱性緩和策適用度が、現時点で他のUbuntu baseよりも低いため、評価をBに下げています。

Ubuntu baseの中で、軽快性はおそらくトップレベルと考えられますが、設定・日本語化の難易度は高く、操作性もかなり異なる事から、なかなか一般利用者向けとは言い難い所があります。デスクトップ効果を含むデスクトップの機能性は高いため、これもまた、antiXと同様、初心者向けではなく玄人向けDistiributionだと考えられます。

軽快性を追求する必要があり、Linuxの基本的な知識がある場合にはオススメとなります。

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