Solus 4.4 "Harmony" Budgieリリース! 〜2年ぶりの独立系Linux Solusレビジョンアップ・・手堅い高機能デスクトップ環境を検証する!

 

Solus 4.4 "Harmony"リリースです。アイルランド産独立系Linuxですが、Budgieデスクトップ環境の開発元としても有名です。前回のSolus 4.3リリースから2年ぶりのレビジョンアップ。最新のBudgieデスクトップ環境 10.7.2を搭載。カーネルは6.3シリーズとなります。他のデスクトップ環境として、Gnome、KDE Plasma、Mateを選択可能ですが、Mate editionに関しては、Waylandサポートの方向性が曖昧という理由で、今回の4.4で最後となり、代わってXfceデスクトップ環境をサポートする事となっています。

ソフトウェア管理用コマンドは、eopkgですが、利用方法については平易であり、aptコマンドを知っていれば、使い方に迷う事は無いものと思います。

また、GUIを搭載したソフトウェア管理用ツールとして、Solus独自の”ソフトウェアセンター”が準備されています。一般的にソフトウェア管理はこちらを使用する事となります。

ソフトウェアセンターにおいては”サードパーティ”タブがあり、ここからは、Solus repository以外のソフトウェア群をインストール可能。。Google Chrome等についてもここからインストールできます。


flatpakについてもベースラインはpre-install済みであり、flatpak hubの設定を行えば利用可能となります。

Budgieデスクトップ環境を強化するBudgie appletは、最低限のもののみpre-installされており、必要に応じて、ソフトウェアセンターからインストールします。


Budgie appletの追加・設定は、”Budgieデスクトップの設定”から行うのは従来通り。。


高機能な割に軽快に動作するSolus 4.4 Budgie・・今回は久々にレビジョンアップしたSolus 4.4 Budgie editionに関して投稿を進めていきます。

1.概要

1.1 デスクトップ環境:Budgie 10.7.2

1.2 カーネル:6.3シリーズ


1.3 ソフトウェア管理:eopkg、ソフトウェアセンター、flatpak


2.インストール(GPT/uefi、セキュアブートOff)

デスクトップ上の"Install OS"アイコンをクリック
ロケールとしてJapaneseを選択
"Find my location automatically"にチェック
hostnameを設定します。ここは、自分のネットワーク環境に合わせて・・
アカウント&パスワードを設定。ご自身のものを設定ください
OKボタンを押下
インストール先は環境依存になりますので参考になりません。

3.初期設定

3.1 システムアップデート/アップグレード

インストール→再起動→loginすると、セキュリティ更新notificationが、デスクトップ右上に表示されますので、ソフトウェアセンターを起動して、システムアップデート/アップグレードを実行します。


3.2 位置情報サービス及び時刻の調整

1)位置情報サービスの調整

位置情報サービスはデフォルトではOffになっています。カレンダーに天気予報を表示させる等の場合は、位置情報サービスをOnにする必要があります。これは、Budgie コントロールセンター→プライバシー→位置情報サービスタグを使って設定変更します。


2)時刻の調整

デフォルトではインターネット上のタイムサーバーとの同期はOffになっています。タイムサーバーとの自動同期をOnにするためには、Budgie コントロールセンター→日付と時刻を使って設定変更を行います。


尚、Windowsとのデュアルブート構成の場合、Solus使用後、Windowsを使っても、Wndows側で時刻の狂いは生じないよう事前設定されているため、timedatectlコマンドを使って設定変更の必要はありません。

3)テーマの調整

libreoffice起動時、libreofficeで使用する各種アイコンテーマがlibreofficeで使用するテーマと合わないため、見えない状況となります。


このため、アプリケーションテーマをダーク系に変更します。このため、Budgie コントロールセンター→Budgie デスクトップの変更→スタイルタブより設定変更を行います。

ウィジェット(アプレット)の箇所のテーマを変更します

これでlibreofficeのアイコンがキレイに表示されます。

4.日本語化残処理

4.1 pre-installアプリケーションの日本語化

pre-installされるアプリケーションのうち、libreofficeに関しては日本語化されますが、Firefox及びThunderbirdに関しては日本語化されません。このため、この2つのアプリケーションに関して日本語化します。

1)Firefoxの日本語化

Firefoxに関しては、Firefoxの初回起動時のセットアップWindowを使う事によって日本語化できます。

"Skip this step"ボタンを押下
”日本語に切り替える”ボタンを押下

以上でFirefoxについては日本語化されます。

2)Thunderbirdの日本語化

Thunderbirdの”アドオンとテーマ”より、Japanese(ja)  Language Packを検索してインストールする事により日本語化されます。

Addボタンを押下

以上でThunderbirdの日本語化が完了します。

4.2 日本語フォントのインストールとデフォルトフォントの変更

日本語表示可能なフォントはあるものの、メジャーなものでは無いため、ここではnoto-cjk-jp系フォントをインストールし、デフォルトフォントの変更を行います。

1)noto-cjk-jp系フォントのインストール

ターミナルを起動し以下コマンドを投入

→sudo eopkg install font-noto-cjk


途中Yes or Noを聞かれますが、インストールを継続する場合は、y を入力します。これは以降のeopkgによるインストールでも同じです。

このフォントのインストールにより、libreofficeのデフォルトフォントがnoto-sherif-cjk-jpフォントに切り替えられ、日本語の表示が可能となります(libreoffice writerの元々のデフォルトフォントは・・意味がわかんないですが・・emojiフォントが割り当てられていました^^;)。無論日本語表示不可です)。尚、フォントキャッシュがアップデートされていない場合があります。この場合は、一旦再起動するか、フォントキャッシュのアップデートを行ってください。

2)デフォルトフォントの変更

デフォルトフォントの変更は、Budgie デスクトップの設定→フォントから。。


4.3 日本語入力環境のインストール&設定

Solus 4.4ではibus-mozc、fcitx-mozc双方インストール可能ですが、今回はfcitx-mozcのインストール&設定を行います。

1)fcitx-mozcのインストール

ターミナルを起動し以下コマンドを投入します。

→sudo eopkg install fcitx-mozc fcitx-configtool

インストール後、logout/loginを行います。

2)fcitxの設定

logout/loginでfcitx-mozcは使用可能となりますが、インラインが出来ません。このため、fcitx設定を行います。

パネルのキーボードアイコン上でマウス右ボタンクリック→表示されるメニュー中の設定を選択
”Advanced”にチェックを入れ、表示される”Fcitx XIM Frontend"を選択→Window下に配置された設定ボタンを押下
"XIMでOn The Spotスタイルを使う”にチェックを入れる
パネルのキーボードアイコン上でマウス右ボタンクリック→表示されるメニュー中の再起動を選択

以上で、fcitx-mozcによる日本語入力が可能となります。アルファニューメリックとの切り替えは半角/全角キー押下で。。


5. その他

Solus 4.4にpre-installされるカレンダーをGoogle Calendarと同期させるためには、Budgie コントロールセンター→オンラインアカウントにて、googleアカウントを登録します。


これにより、カレンダーとgoogle calendarが同期されます。

6. 評価

軽快性:A、機能性:S、安定性:A、初期設定〜日本語化残処理の平易性:B

となります。若干初期設定〜日本語化残処理が煩雑ですが、デスクトップの機能性、軽快性は申し分ありません。
設定後のデスクトップ環境は手堅く安心して利用できます。Solusのrepositoryやサードパーティrepositoryでは足りないアプリケーションもflatpakで補完可能な点も◎。

筆者オススメの一本となります。



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