ThinkCentre M75q Tiny Gen2(Zen 3:AMD Ryzen 5 Pro 5650GE搭載)Wi-Fi 6 (802.11ax)化・・・M75q Tiny Gen2→Intel Wi-fi 6 AX200カード換装とWi-fi 6ルーター増設によるWPA3接続(セキュリティ強化)

 


久しぶりの投稿となります。ThinkCentre M75q Tiny Gen2において、Ubuntu/Debian系のWifi接続が安定しない現象が継続しており、時間をかけて解決策を探っていましたが、やはり、ソフトウエア的に解決する事に限界を感じてきたため、思い切って、M75q Tiny Gen2にpre-installされていたIntel Wireless-AC 9260カードをIntel Wireless AX200カードに換装、更に、Wi-fi 6 & IPv6対応のWi-fiルーターをauのBL900HWにブリッジモードで接続し、Wi-fi 6化&WPA3化して様子を見る事にしました。どうも、au ひかりのBL900HWが悪さをしている感が強かったためです。

使用した部材は以下の通りです。

1)Desktop Wireless M.2 2230 KIT(Intel Wi-Fi 6 AX200(Gig+)


M75q Tiny Gen2のAC 9260を置き換えるAX200は、M.2 2230インタフェースを持つものを購入する必要があります。
このキットにはアンテナが2本付属しますが、使用するのは、AX200カードのみです。アンテナに接続されたケーブルが、AX200カードに接続された状態となっていますが、これは取り外し、以下の状態にしておきます。MAIN側端子には無線LANケーブルを、AUX側端子には、Bluetoothケーブルを接続します。


2)増設Wi-fi 6 & IPv6対応のWi-fiルーター:NEC Aterm WX1500HP


Wi-fi 6 & IPv6対応のWi-fiルーターは、au ひかりをサポートするNEC Aterm WX1500HPを今回は選択しています。au ひかりの無線LAN親機内蔵ホームゲートウエイBL900HWはNEC製のため、相性は良いだろうという目論見からです。

念のため、BL900HWの5Ghz帯域の無線LANはOffにし、2Ghz帯域の無線LANのみ生かすように事前セットアップ、BL900HWにブリッジモードで接続するWX1500HPでは5Ghz帯域の無線LANのみセットアップし、2Ghz帯域と5Ghz帯域の無線LANは物理的に分けて提供する構成にしています。

左側が、WX1500HP、右側が、BL900HWです

結果2Ghz帯域の無線LANはWi-Fi 5+WPA2、5Ghz帯域の無線LANは、Wi-Fi 6 + WPA3となっています。WX1500HPをブリッジモードでBL900HWに接続しているため、ルーティングに関しては、BL900HWが担うという構成です。

1.M75q Tiny Gen2→Intel Wi-fi 6 AX200カード換装

M75q Tiny Gen2の分解については以前投稿しました。M75q Tiny Gen2の無線LANカードは、2.5インチSSDの真下に装着されていますので、まず、2.5インチSSDをラックごと取り外します。さらにSSDからSATAインタフェースケーブルを抜きます。抜くと以下のような状態となります。


無線LANカードの部分を拡大すると以下のようになります。
無線LANカードは上部のねじでねじ止めされており、さらに無線LANカードには、端子からケーブルが抜けないようにプラスティックカバーがはめ込まれています。黒色のケーブルが無線LANケーブル、グレーのケーブルが、Bluetoothケーブルとなり、無線LANケーブルは、MAIN側に、Bluetoothケーブルは、AUX側に接続されている事が分かります。
無線LANカードをねじ止めしているねじはかなり固いため、合わないドライバーを使うと、すぐにねじの頭がつぶれます。このあたり注意が必要です。

ねじを外し、無線LANカードを抜いた後、M75q Tiny Gen2の正面側で、Bluetoothケーブルが以下のような状態で、金属部分の下を通っていますので、ピンセット等を使って右側に移動し、金属部分の下ではなく横を通るようにしてケーブルに余裕を持たせます。

次に、無線LANの端子部分を覆っているプラスティックを外します。プラスティックを横に広げるようにすると外れます。あまり力を入れない事。
次にAC 9260カードの端子部分から、Bluetooth、無線LANケーブルを外し、AX200カードのMAIN側端子に無線LANケーブルを、AUX側端子にBluetoothケーブルを接続します。
端子にケーブルを装着する作業は、外す時よりも難しいため、根気よく丁寧に作業を行う事が必要です。装着できたら、端子のプラスティックカバーを端子側からカード上部に向けてねじ止めの半円の箇所が見えるようになるまで、はめ込みます。この際ケーブル止めが、プラスティックカバー内部中央にありますので2本のケーブルがプラスティックカバーの左端とケーブル止めの間に入るよう調整します。プラスティックカバーは、かちっとはまりませんが、そのままカードをマザーボードのインタフェースに装着してねじ止めを行い、ねじ止めが終わったら、プラスティックカバーを軽く上部に上げる等調整します。端子からケーブルが外れなければ良いため、力づくではめるような事はしない事が肝要です。この後、M75q Tiny Gen2の正面側から、ピンセット等を使用して、Bluetoothケーブルが元のように金属部分の下をくぐるよう調整します。


出来上がりはこんな感じになります。

この後、SSDにSATAインタフェースケーブルを装着し、2.5インチSSDをラックごと元に戻します。

2.M75q Tiny Gen2→Intel Wi-fi 6 AX200カード換装後のテスト

電源投入すれば、追加ドライバー不要で、AX200カードが認識され、Wi-fi 6 & IPv6 & WPA3環境にする事ができます。

Bluetoothも問題なく認識でき、Bluetoothイヤホンの接続も確認しました。


3.結果と注意事項

Ubuntu/Debian系LinuxのWi-fi接続に関しては、今の所、接続の安定性が確保できています。また、インターネットスピードに関しても、激オソという状況はなくなり、通常の状態に戻りましたが、一定期間、観察し、問題があれば、本ブログに投稿します。

M75q Tiny Gen2の無線LANカードを、Wi-fi 6 AX200カードへ換装する作業は、かなりデリケートな作業であり、常にHWの破損のリスクが伴います。また、本作業は、レノボのサポートから外れる行為です。今回はあくまでも単なる参考の位置づけで投稿していますので、実際におやりになるにあたっては、ご自身で十分調査し、ご自身の責任の元実施していただく事になります。このあたり十分注意ください。

コメント