Windows 11及びUbuntu 20.04.3 LTS・・UEFIセキュアブート環境下のデュアルブート構成とThinkCentre M75q Tiny Gen2 pasmarkベンチ結果について(Ubuntu 20.04.3 LTS)


さて今回は、UEFIセキュアブート環境下でのWindows 11とUbuntu 20.04.3 LTSのデュアルブート構築の流れ及びUbuntu 20.04.3 LTS上のThinkCentre M75q Tiny Gen2のpassmarkベンチマーク結果に関して投稿します。

1.デュアルブート(UEFIセキュアブート環境下)を構築したPC構成

1)PC:ThinkCentre M75q Tiny Gen2


2)APU:Ryzen 5000 Pro 5650GE
3)メモリ:16GB DDR4-3200 SODIMM
4)内蔵SSD
  ①Kingston A2000 M.2 NVMe PCIe Gen3 500GB  SSD
   →Windows 11 Home インストール済み


  ②WD Blue 3D SATA 2.5 inch 500GB SSD
   →Ubuntu 20.04.3 LTSインストール先


5)ブート方式:UEFIセキュアブート


2.Ubuntu 20.04 .3 LTSのインストール

Ubuntu 20.04.3 LTSのインストール先は、Windows 11をインストールしたM.2 NVMe SSDとは別にし、SATA 2.5 inch 500GB SSDとしています。このSATA 2.5 inch SSDの動作モードは、AHCIにしておく必要があります(M75q Tiny Gen2では、SATAの動作モードは、デフォルトAHCIになっていますので対応の必要はありません)。

2.1 Ubuntu 20.04.3 LTSインストールメディアの作成→USB

① Ubuntu 20.04.3 LTS インストールメディアISOファイルのダウンロード
https://jp.ubuntu.com/download

上記反転部分の”ダウンロード”ボタンを押下するとISOファイルのダウンロードが開始されます。


②USBメモリにUbuntu 20.04.3 LTSのインストールメディアを作成・・Rufusによる(Win11上)

USBメモリをPCのUSBインタフェースに差し込み①でダウンロードしたISOファイルを入力としてUSBメモリにUbuntu 20.04.3 LTSのインストールメディアを作成します。Rufusの処理が完了しても、USBメモリは差し込んだままにしておきます。

2.2 Ubuntu 20.04.3 LTS USBインストールメディアにてPCブート&インストール

①ブートオーダーの変更

PCを再起動し、Lenovoロゴがモニターに表示されたらF12キー(M75q Tiny Gen2の場合)を連打し、ブート先としてUEFI USBドライブを選択しエンターキーを押下します。ブートオーダーを変更するファンクションキー及びその押下タイミングはPCメーカーによって異なります。


Ubuntu 20.04.3 LTSはUEFI Secureブートに対応していますので、上記処理により、Ubuntu 20.04.3 LTSインストーラを起動できます。

②起動したUbuntu 20.04.3 LTSからUbuntu 20.04.3LTSを内蔵SATA SSDへインストール 

注意1)通常、”グラフィクスとWifiハードウェアと通常のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする"にチェックを入れます。ただしこれはSecure Bootの防御対象となるため、インストール後、再起動すると表示されるMok managerにて、”Configure Secure Boot”の箇所に入力するパスワード(任意英数字で構いません:下記赤丸の箇所)と同じものを入力し承認しないと、Ubuntu 20.04.3 LTSに組み込まれません(本処理を行わないとインストール対象となるサードパーティ製ソフトウェアはビルドはされますがロードされない結果となり、利用不可能となります)。
注意2)ここでは、Windows 11がインストールされているSSDとは物理的に別のSSDをインストール対象ドライブにします。筆者のケースでは、M75q Tiny Gen2に増設したWD Blue 3D SATA 2.5 inch 500GB SSDを指定しています。

以上、インストールが終了したら、指示に従い再起動します。

2.3 Mok managerオペレーション

再起動するとブルースクリーン状のMok managerが起動します。ここでは、インストール対象とした”グラフィクスとWifiハードウェアと通常のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェア”を承認し、Ubuntu 20.04.3 LTSにロードさせる処理を行います。

”Enroll MOK"を選択します
”Continue”を選択します
”Yes”を選択します
前述したように、ここで”Configure Secure Boot”の箇所に入力したパスワードと同じものを入力します
”Reboot”を選択し再起動します。
これで”グラフィクスとWifiハードウェアと通常のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェア”がUbuntu20.04.3 LTSで利用可能となります。

再起動後、UEFIセキュアブート環境下で、Windows 11とUbuntu 21.04.3のデュアルブートが可能となります。

上記スクリーンショットにて・・
・Ubuntuを選択→Ubuntu 20.04.3が起動します。
・Window Boot Managerを選択→Windows 11が起動します。

Ubuntuの初期設定に関しては、今まで投稿してきていますのでここでは省略です。

3. AMD Radeon Graphicsを使用している場合の注意事項

Ubuntu 20.04.3 LTSにはHWEが適用されており、カーネルは5.11シリーズを採用している旨アナウンスされています。
ただし、今回Ubuntu 20.04.3 LTSのカーネルをチェックしてみた所・・
なんと5.13シリーズに変わっています。このカーネルは、2月にリリースされるUbuntu 20.04.4 LTSに採用されるはずだったんですが・・。

AMDではRadeon Graphics向けにUbuntu 20.04.3 LTSに対応したRadeon Software for Linux(バージョン 21.40.1)をリリースしていますが、カーネル5.11のみをサポートしている可能性があります。この場合、本Softwareを現Ubuntu 20.04.3 LTS上にインストールしてしまうと動作不良を引き起こす可能性があります(海外でちらほら本動作不良の件が報告されています)。

4. Ryzen 5 Pro 5650GEのグラフィクスドライバーに関して

カーネルに含まれるドライバー"amdgpu"が使用されます(Ubuntu 20.04.3において)。

5. ThinkCentre M75q Tiny Gen2(Ubuntu 20.04.3 LTS) passmarkベンチ結果について

最後にThinkCentre M75q Tiny Gen2(Ubuntu 20.04.3 LTS) passmarkベンチマーク結果ですが。。

CPU Markは、"18888"。Windows 10上での同結果が、"18427"ですので、400ポイント以上、Ubuntu 20.04.3 LTS上のベンチのほうが性能的に良い結果が出ています。まっ予想はしていましたが。
筆者は動画編集もしますので、Ubuntu上でのKdenliveの高速化が楽しみになってきました。

6. 最後に

UEFIセキュアブート環境下でインストール先SSDを物理的に分け、それぞれWindows 11、Ubuntu 20.04.3をインストールし、デュアルブート環境を作ってみました(Windows 11のクリーンインストールについては前回投稿しています)。デュアルブート環境の作り方については、前回少し解説しましたが、予告通り比較的安全なデュアルブート方法の採用です。なによりもこの方法だと、Windows 11とUbuntuが設定上独立するため相互に影響を与えない所が◎だと思います。

ただ、昨今のトレンドは仮想化ですので、仮想化してマルチOSを使うっていう環境を真剣に考えている今日この頃です。


コメント

  1. 確かに仮想化がトレンドなのかもしれませんが、LinuxはNativeで走らせるのが醍醐味かと思います。
    WSL2も使いましたが、いまいち物足りないです。

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    1. WindowsとLinuxのデュアルブート構成では今までかなり痛い目にあってきましたので、正直もういいかなっていう感じなんですよね(^^;・・なるべくこの構成を取るのは止めたいって所でしょうか。仮想化もある程度Thinkpad T480s上では、検証を進めていて、結果、将来的にはハイパーバイザー型のHyper-Vにしようかと思っています。ThinkCentre M75q Tiny Gen2ですとCPU Markが、Thinkpad T480sのそれと比べると3倍以上となっているため、Hyper-Vを採用した場合でも性能的には大丈夫ではないかと・・(レスポンスがとろいなら止めます)。ただ、せっかくSSD 2基搭載させた改造Thinkpad T480sは、最終的に仮想化しません。Thinkpad T480s上でHyper-V構成にした時、レスポンスがとろく、耐えきれなかったのが理由なんですが(^^;。

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