sparkylinux 6.1 “Po Tolo” LXQt edition 〜Debian 11.1 stableベース となったsparkylinux 6.1 LXQt editionの出来は如何?・・軽快性は?日本語入力環境は?・・



sparkylinux 6.1 “Po Tolo”・・11月にリリースされたDebian 11.1 stableベース。メインデスクトップ環境としてLXQt 、他Xfce及びKDEデスクトップ環境を有するポーランド産Linux distribution。今までなら、軽快性という観点でデスクトップを選択するなら、LXQt editionという事になったんですが、さて今回のLXQt editionではどうなのか?・・・という事でDebian 11 stableに対応したsparkylinux 6を飛ばして、Debian 11.1 stableに対応したsparkylinux 6.1 LXQt editionに関して今回取り上げます。

手順を踏んでインストールすれば、アプリケーションの日本語化も滞りなく完了し、日本語入力環境は、最新のfcitx5-mozcとなります。


この手順に気が付かなければ、自力で、アプリケーションの日本語化パッケージ及びfcitx-mozc(fcitx4)をインストールして日本語環境を作ってしまう事になります(以前のように初期設定の中でこれら日本語環境が構築できるような作りにはなっていません・・スクリプトミスの可能性もありますが・・)。
このため、今回は、sparkylinux 6.1 LXQt editionの日本語化残処理を中心に投稿内容を展開します。また、爆速だった、sparkyのLXQtデスクトップ環境がどうなったのか・・懸案の軽快性に関しても触れます。

1.概要

1.1 ベース:Debian 11.1 stable

1.2 デスクトップ環境:LXQt 0.16.0


1.3 パッケージ管理:APTus AppCenter,Synaptic


パッケージ管理のメインは、APTus AppCenterですが、Synapticもpre-installされています。APTus AppCenterには、debian repositoryに無いパッケージも多数含まれています。ただしこれはflatpakをサポートしているわけではありません。

1.4 カーネル:5.10シリーズ(現時点のカーネルは5.10.0-9-amd64)


1.5 カーネル:インストールメディア用isoファイル入手先


2.インストール(GPT/uefiケース)

rufus等を使って、isoファイルをusbメモリに焼き、これを使ってブート直後に表示される画面メニュー中の”More Languages"を選択、この後表示されるlanguageの中から”Japanese”を選んでエンターキーを押下、日本語環境にてブートアップします。


以降はブートアップ後のインストールプロセスとなります。

”Welcome”Windowは使いませんので閉じます
"Sparky Installer"をダブルクリック→”実行”ボタンを押下します
”インストール”ボタンを押下

インストール先は環境依存になりますので参考になりません。

3.初期設定

3.1 システムアップデート・アップグレード

インストール→再起動→login後に”更新できます”windowがデスクトップ右下に表示されますので、”はい”ボタンを押下し、システムアップグレードツールを起動、システムアップデート・アップグレードを実行します。

OKボタンを押下

注)”Welcome"Windowは使用しませんので閉じて構いません。

3.2 repositoryの最適化

Synapticを起動し、設定→リポジトリを選択、リポジトリ設定画面を表示させ、リポジトリを国内サーバに書き換えます。

次にSynapticの”再読込”ボタンを押下し、Synapticを終了します。

以上でrepositoryの最適化は完了です。

3.3 ターミナルフォントの変更

初期状態のqteminalではデフォルトフォントのまずさから、文字が重なって表示されます。

このため、qterminalのメニュー中の”ファイル”→”設定”を選択し、qterminalの設定を使って、qterminalで使用するデフォルトフォントを変更します。

”フォント”横の”変更”ボタンを押下します
”ターミナルフォントの選択”Windowが表示されるため、フォントとして”Clean"を選び、OKボタンを押下します
これでターミナル(qterminal)上の処理が支障なく行えるようになります。

3.4 NTPサーバーとの同期処理

デフォルトではインターネット上のNTPサーバーとの同期処理がOffになっています。
このため、systemd-timesyncd をインストールします。これをインストールすればNTPサーバーとの同期処理がOnになります。

→sudo apt install systemd-timesyncd

3.5 Windowsとのデュアルブート時、Windows側で発生する時刻の狂いに対する対処

これはいつもの通りです(この処理はWindowsとのデュアルブート構成の場合のみ必要です)。

ターミナル(qterminal)を起動し以下コマンドを投入・・。

→timedatectl set-local-rtc true

4. 日本語化残処理

4.1 アプリケーション日本語化パッケージ、fcitx5-mozc及びその依存関係、日本語フォントのインストール

sparkylinux 5の頃は、初期設定の中で、システムアップグレードツールにより、システムアップデート・アップグレード処理を行ったあと、引き続き日本語化残処理のプロセスが流れましたが、これが行われません。このため、これを手動で起動する必要があります。

これはターミナルを起動し、以下コマンドを投入します。

→sudo /usr/lib/sparky-aptus-appcenter/bin/sparky-locale
APTus AppCenter Localeが起動しますので”Japanese”を選択してOKボタンを押下します。
OKボタンを押下します。これによって、fcitx5-mozcとその依存関係及び、Firerfoxや、Libreoffice等のJapanese Language pack、及び、日本語フォントのインストールが開始されます。コマンドを投入したqterminal上でエラーを履きますが、無視して構いません。

以上で一旦再起動すれば、Firefoxや、Libreoffice等が日本語化され、fcitx5-mozcによる日本語入力が可能となります。ただし、再起動の前に、デフォルトフォントがかなりイマイチのため、noto-cjk フォントをインストールしてしまいます(フォントインストール後、再起動し、デフォルトフォントをnoto-cjk-jp系フォントに切り替えます)。

→sudo apt install fonts-noto-cjk
インストールが完了したら再起動します。

4.2 デフォルトフォントの変更

再起動後、LXQt コンフィグレーションセンターを起動し、デフォルトフォントの変更を行っていきます。


デフォルトフォントの変更処理は以下3箇所あります。




以上でシステムサイドのデフォルトフォントの変更処理は完了。他アプリケーション側は以下を参考に。。

<Firefox>

<Thunderbird>

4.3 アプリケーション日本語化残件

LXQt環境のテキストeditorであるFeatherPadに関しては4.1の処理を行っても日本語化されません。


このため、ターミナルを起動して、以下コマンドを投入・・FeatherPadの日本語化を完了させます。

→sudo apt install featherpad-l10n

以上で日本語化残処理は完了です。これでFirefoxや、Libreoffice等も日本語化されます。

fcitx5-mozcによる日本語入力も◎・・。

5.その他設定上の留意事項

上記全設定後(透過処理等を行わせるComptonをインストール・設定する前)、再起動→login直後のメモリ消費量は・・
597MB・・概ね600MBとなり、sparkylinux 5の頃と比べると大幅にメモリ消費量が増加しています。操作上の軽快性は他のsparkyのデスクトップ環境と比べると、No1なんですが、Comptonをインストールし、設定してしまうと、Window効果が適用され、操作上の快適性が損なわれますので、マシンパワーが低い場合は、Comptonのインストール・設定はやめた方が良いと思います。

ある程度マシンパワーがある場合は、compton(インストール対象は、comptonではなく、sparky-comptonとなりますので要注意)をインストールし、設定を完了させれば、KDEぽい綺麗なWindow効果が適用されますので、おすすめとなるんですが・・。

ちなみに筆者はComptonのインストール・設定を行い、plankのインストール&テーマ変更、パネルの移動、各種透過度の調整、壁紙・アイコンテーマの変更等を行って、冒頭、末尾のデスクトップを完成させています。

6.評価

インストール→初期設定の平易性:B+、日本語化残処理の平易性:C、安定性:A-、軽快性:B

となります。日本語化残処理の箇所は、sparkylinux 5の頃と比較すると、かなりの後退です。また、初期状態ではターミナル(qteminal)のデフォルトフォントが悪さをして文字が重なり見えづらくなっている等、設定上、やる事が結構増えてしまっている事がNGです。

ただし、Comptonの特殊効果設定に関しては、以前より随分落ちることが少なくなった点は◎なんですが・・設定後の出来上がった環境は申し分無いものの、”細かい調整が更に必要なDistribution”という評価に至りました。




コメント

  1. Language packですが、APTus APPCenterのAPTusメニューからもたどり着けるようです。

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    1. いずれにしても、問題となるのは、初期設定メニューでlocalizationプロセスが流れないっていう点なので、バグでなければ、これは改悪だと思っています。リリースノート等でこのあたり(対処法)が明記されているならば別なんですが・・。

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