Ubuntu 21.10 "Impish Indri " 〜Ubuntu初のGnome 40搭載! Ubuntu短期サポート版(9カ月)リリース editionの出来は如何・・日本語入力環境iBus-mozcの問題等も検証する・・。
Gnome 3.xのコンポーネントも若干見られますが、概ねGnome 40環境に移行しています。
インストール直後の外観を見た時、一見、以前のUbuntuか?・・と思わせますが、細かい箇所を見ると、Gnome 40に移行している事がわかります。
デフォルトの有効gnome-shell-extensionは・・
次に、課題として目立ったのが、まず、iBus-mozcが正常に動作しない点でしょう。これはGnome 40に移行しXwaylandがOn demand化した点に起因しますが、簡単に言ってしまえばXwaylandプロセスがiBus起動時に動作していないため、iBus-Mozcによる日本語入力は不可状態となります。これを収拾するためには、On demandでXwaylandを起動する他のアプリ等を起動すれば良いという事になりますが、該当するアプリ等を筆者が検証したみた範囲では、pre-installアプリの中ではlibreofficeぐらいしかありませんでした(すなわちLibreofficeを起動した直後からiBus-mozcはなんの問題もなく利用できるようになりますが、これはこのセッション中だけです。Ubuntuの再起動等をした場合は、再度libreofficeを起動しないとiBus-mozcによる日本語入力はできません)。ちなみにXwaylandはWaylandに対しX.orgへの下位互換を実現するものです。
このバグの詳細は以下Ubuntuバグレポートにワークアラウンド(上述した内容を含むとりあえずの対策)と共に出ていますが、どうでしょう・・最終的な解決策はim-configあたりに落ち着くのかどうか・・まだ微妙な感じです。
ま、正常動作しないものに対してとりあえずの対策を施してiBus-mozcを使用するよりは、むしろwaylandサポートをコミットしているfcitx5-mozcに切り替えて使ったほうが、今は安全だろ・・って事で今回は日本語入力環境としてfcitx5-mozcを採用・設定します。
次にpre-installされるFirefoxはsnap化しており・・・gnome-shell-extensionのインストールを、snap化したFirefoxにadd onを導入して行う場合は問題が発生します。snap化によりFirefoxのセキュリティレベルが上がった故の結果といえばそうなるんでしょうが、必要に応じて対処が必要です。Firefoxを今snap化する必要ある?・・というのがホント正直な所ですが(^^;。。
Gome 40の機能性等はManjaro投稿記事に書きましたので、省きます・・という事で今回は、Gnome 40搭載Ubuntu 21.10のインストール、初期設定、日本語化残処理を中心に、また、日本語化残処理に関してはfcitx5-mozcのインストールとiBusからfcitx5への切り替えについて触れていきます。
1.概要
1.デスクトップ環境:Gnome 40.4(Gnome Shell 40.5)
2.ディスプレイサーバ:Wayland
3.カーネル:5.13.0-19-generic
4.パッケージ管理:Ubuntu SoftwareによるUbuntuパッケージ、Snapパッケージの一元管理
2.インストール
USBメモリにrufusを用いてUbuntu 21.10のインストール用ISOファイルを焼き、これを使ってPCをブート、表示されるメニューに従ってインストールを進めていくっていうのが大まかな段取りとなります。
3.1 初期設定Windowによるもの3.初期設定
インストール→再起動→loginすると初期設定Windowが表示されますので、内容に応じて設定を進めていきます。
オンラインアカウントの設定はこちらから。筆者はgoogle accountの設定をここで行っています。 |
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ここはお好きに。筆者は”いいえ”を選択 |
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位置情報の取り扱いの設定です。これもお好きに・・という事になりますが、calendarに表示される天気予報が、位置情報サービスを使ってるため、筆者はここをOnにしています。 |
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3.2 システムアップデート・アップグレード
これは以下コマンドをターミナルに投入する事によって行います。
sudo apt update && sudo apt upgrade && sudo snap refresh
ubuntu repositoryは国内サーバにセットされているため、repositoryの最適化を別途行う必要はありません。
尚、本作業は”ソフトウエアの更新”あるいはUbuntu Softwareの"アップデート"を使っても構いません。
通常アップデートに関する通知が来てこれに応える形でアップデート・アップグレードを実行する・・という形式となりますが、インストール直後に本通知が遅れる場合は上記コマンドを投入して、アップデート・アップグレードを完了させてしまいます。
3.3 Windowsとのデュアルブート構成の場合の時刻の調整
ここでは、Windowsとデュアルブート構成をとっている場合、Ubuntu使用後にWindows側の時刻に狂いが生じる現象を収拾します。
ターミナルを使って以下コマンドを投入します。
timedatectl set-local-rtc true
4.日本語化残処理
まず前述したようにUbuntu 21.10にpre-installされるiBus環境には問題があり、Workaround無しではibus-mozcが正常動作しません。このため、本稿では、Wayland対応のfcitx5-mozcをインストールし、pre-installされるibusからfcitx5へ切り替えます。
4.1 fcitx5-mozcのインストール
ターミナルを起動し、以下コマンドを投入してfcitx5-mozcをインストールします。
→ sudo apt install fcitx5-mozc fcitx5-config-qt
fcitx5-config-qtは、fcitx5のコンフィグ機能を提供するフロントエンド(UI)を梱包しています。fcitx4のconfig toolとは異なりますので要注意。
4.2 ibus-mozcからfcitx5-mozcへ切り替え
ターミナルに以下コマンドを投入してibusからfcitx5に切り替えます。
→ im-config -n fcitx5
以上処理終了後、logout/loginでfcitx5-mozcを使用した日本語入力が可能となります。
例えば検索ボックスにfcitx5-mozcによる日本語入力を行った結果も以下通り◎です。
ちなみfcitx5に切り替え、logout/login直後のXwaylandプロセス状況を見てみると・・
ちゃんとXwaylandが動作している事が確認できます。ibusを設定していた時は、login直後、Xwaylandが起動していませんでした。
結果・・fcitx5の場合は、on demandでXwaylandを起動させてるって事になるんですが。。
5.基本設定
Ubuntuの外観を変更したり、gnome-shell-erxtensionを追加・設定する事によって、デスクトップの機能を強化したい場合は、gnome-tweaksをインストールします。
これはターミナルを使って以下コマンドを投入・・
→ sudo apt install gnome-tweaks
これによって”拡張機能”と”Tweaks”・・この2つのツールがインストールされます。
拡張機能では拡張機能のenable/disableの切り替え、各設定が行えます。Tweaksでは、デスクトップの細かい設定が可能ってとこでしょうか。。筆者は、ばりばりに使用しています。
gnome-shell-extension(拡張機能)のインストールはFirefoxを使用する場合、add-onとして、gnome-shell-integrationを導入・使用します。ただし、この使用時に以下のようなエラーメッセージが出る事があります。
いわゆるhost connectorが動かないというエラーメッセージですが、このエラーが出た場合は、chrome-gnome-shell をインストールする事( sudo apt install chrome-gnome-shell)によって一般的には収拾します。ただし、snap化されたFirefoxを使用すると、chrome-gnome-shellをインストールしても、同様なエラーメッセージが出力され、うまく動作しません。
致し方ないので、筆者は、snap版のFirefoxを削除し、Ubuntu repositoryからFirefoxをインストールし直しています(^^;。。
→ sudo snap remove firefox && sudo apt install firefox firefox-locale-ja
6.評価
日本語入力環境の品質:D、安定性:A、軽快性:B+、機能性:B+、インストール〜初期設定の平易性:A
といった所でしょうか。
日本語入力環境の品質は流石にDランク(最低)としました。Gnome 40に移行するというデスクトップ的にはかなり大きな節目だったUbuntu 21.10ですが、ibus-mozcが正常動作しないっていうのはかなり痛かったです。元々Ubuntuに求められている事は非常に高いって事はあるんですけど・・今回のは流石に(^^;。。次回LTSに期待です。
残念ながら、この1点だけで、今回のUbuntu 21.10の出来は日本国内においては、100点に遠く及ばない結果となります。
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