Fedora 34 〜最新Gnome 40デスクトップ搭載・・最新機能概要と設定上の注意点について整理する!

 




Fedora 34リリース・・。本年3月29日にリリースされたGnome 40を搭載する最新Fedoraとなります。Gnome 40はUI等が一新され、Gnome 3.Xと比較し、大幅な機能強化が行われており、現時点でGnome 40をデスクトップ環境として搭載しているものはFedora34を除くと筆者が知っている限りopenSUSE Tumbleweed、Reborn OSぐらいしかありません。Ubuntu 21.04に関しては当初Gnome 40か?という期待感もありましたが、コア部分はGnome 3.38のままのリリースとなりました。最もGnome 40がこれだけ変わってしまうと、正直、canonicalがUbuntu 21.04に間に合わせるのは事実上不可能だったと考えられます。

どれほど変わったのかですが・・例えば・・

・ダイナミックワークスペースと起動時画面
ダイナミックワークスペースは、従来、垂直に配置されましたがGnome 40からは水平に配置されます。ワークスペースの切り替えは、Ctrl+Alt+ → or  ←。マウスホイールによるワークスペースの切り替えはデフォルトで行えるようになっています(ただしワークスペースビューを表示させた状態で)。

Fedoraを起動すると、以下ワークスペースビューからスタートします。

・ワークスペースオーバービュー
アプリケーショングリッド・・いわゆるアプリケーションメニューですが、アプリケーショングリッド上部に各ワークスペースのオーバービューが表示されるようになっています。

これはワークスペースビューにおいても同じ。

・天気予報
これは随分スタイルが変わりました。かなり見やすくなっています。

・入力ソースの変更

入力ソースの変更は、日本語input methodの切り替えに使用しますが、従来”地域と言語”カテゴリーにあったものが、”Keyboard”カテゴリーに移動しています。

・ソフトウェア
いわゆるパッケージ管理ソフトウェアですが、バージョンが40となり外観がスッキリ。flatpakも事前設定されています。


等々数え切れないぐらいの、改善と機能強化・・。一新と言って良いぐらいの大幅な変更となっています。

今回は、最新Gnome 40をデスクトップ環境として持つFedoraの最新バージョン・・Fedora 34を取り上げ、従来のGnome 3.xと設定上の相違点に関して取り上げて行きます。

1.概要

1)デスクトップ環境:Gnome 40

2)パッケージ管理:ソフトウェア/dnf、flatpak

3)カーネル:5.11.17-300.fc34.x86_64

Meltdown/spectre HW脆弱性緩和策対応度は・・

まず問題の無いレベルとなっています。

2.インストール(GPT/uefiケース)


OSのインストール先や、そのConfig等は環境依存になりますので参考になりません。
アカウント設定等は、インストール→再起動後表示される初期設定画面から行いますが、このあたりFedora 33と同じですので割愛します。

3.初期設定

1)repositoryの最適化&システムアップデート/アップグレード

fedora repositoryの最適化のため、/etc/dnf/dnf.confにfastestmirror=Trueを追加し保存します。


次に、sudo dnf updateコマンドをターミナルにて投入すれば、最速のrepositporyが確定され、システムアップデート/アップグレードが完了します。

後のソフトウエアアップデート及びソフトウエアのインストール/削除はソフトウェアを使って行います(flatpakも統合されています)。

2)Windowsとのデュアルブート時、Windows側の時刻の狂いを収拾

これはいつもの処理ですが、Windowsとのデュアルブート構成時には必須の処理となります。
ターミナルより、以下コマンドを投入
→timedatectl set-local-rtc true

4.日本語化残処理

アプリケーションの日本語化は日本語指定でインストールする事により完了します。デフォルトの日本語input methodはiBus-Anthyがセットされますが、ここでは、iBus-Mozcに切り変えて使用します。

① iBus-Mozcのインストール

ターミナルより以下コマンドを投入
→sudo dnf install ibus-mozc

②  入力ソースの変更(iBus-Anthy→iBus-Mozc)

設定→キーボードより入力ソースをiBus-AnthyからiBus-Mozcへ変更します。


②  IMインジケーターより、日本語(Mozc)に切り替え


以上でiBus-Mozcによる日本語入力が可能となります。


5.基本設定(Gnome 3.Xとの違いを中心に)

1)Gnome Tweaksと拡張機能について

Gnome 3.Xでは、Gnome Tweaksをインストールする事よって、外観の設定(デフォルトフォントの変更を含む)やgnome shell extension等の設定が行えるようになっていました。
Gnome Tweaksは前述したGnome 3の高度な設定を行う事ができますが、Gnome 40ではgnome shell extensionを除く設定を引き続き行う事ができます(実際にはGnome 3.8xあたりからこうなっています)。

Gnome 40のgnome shell extensionの設定は別途、拡張機能をインストールして行います。

したがってSoftwareを使用して、これら2つをインストールすれば、Gnome 40は、Gnome 3.Xと同等なカスタマイズを行う事ができます。

Softwareを使ってGnome Tweaks、拡張機能をインストール

Gnome Tweaksによるデフォルトフォント設定例

拡張機能(筆者インストール分:手動でインストール箇所)


2)Fireox のGNOME Shell Integration 拡張機能について

FirefoxのGNOME Shell Integration add-onはFirefox上でgnome shell extensionのインストール/アンインストールを行うため継続して使用する事ができます。

ただし、Gnome 3.Xよりもインストールできるgnome shell extensionは少ない状況です。
例えばDash to Dockはまだインストール可能な状態にはなっていません。Floating dockは利用可能となっていますので、どうしてもDash to Dockが使いたい・・というのであれば、これを代用する手はあります(Dashが機能強化されていますので、Dash to Dockが今後必要かどうかは微妙です。むしろFloating dockの方が使い勝手は良いかもしれません)。



6.評価

機能性:S、インストール〜日本語化残処理の平易性:A、安定性:A、軽快性:B+
といったところでしょうか。

インストールから日本語化残処理(iBus-Anthyでよければ)までは、手間いらずであり、ソフトウエアインストール・アップデート等もソフトウェアを使用すれば簡単に行えます。
機能性は流石にSランクですが、Gnome 40の新機能すべてを使いこなせるようになるには若干時間が必要となります。

軽快性はBランク。安定性は◎。Gnome 40を学びたい場合は最適な1本となります。





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