Mozilla Thunderbirdは広く利用されている、マルチOS環境下でのメールシステムであり、筆者もLinux及びWindows 10双方で使用しています。
そのThunderbirdが2020年7月にバージョン68系からバージョン78系にバージョンアップされ、最新のバージョンは、2020年8月4日時点で、78.1.0となっています。また、現在の所windows 10のThunderbirdでは、68系から78系へのアップグレードプロセスは提供されていません・・が筆者のアップデートのタイミングの問題でしょうか・・、Thunderbird 68系での"ヘルプ"→"Thunderbirdについて"をクリックし68系のアップデートを実行した所、意図せずThunderbird 78系にアップグレードされちゃったみたいな迂闊な状況に(^^;(Thunderbird 78系がリリースされた当日にこの処理を行ってしまったようで、ある一定時間のみ68系から78系へのアップグレードが前述した処理により可能になっていたようです・・が今はできません。)。
Linuxの標準repositoryには、まだ降りてきていないようですが、snapsでは、78.1.0がlatest/stable以外で取得できるようになっています。
ただし、この78.xですが、サポートするadd-onの仕様変更により、従来のadd-onが、まず使えなくなっている点(現時点でもサポートadd-onはかなり少ないです)、他の機能は概ね踏襲されているものの、その起動位置が異なる点等があり、最新Thunderbirdを利用するにあたって結構苦労する事となります。
このため、今回は、最新Thunderbird 78.1.0の利用にあたっての最低限の留意事項を中心に今回サポートされた新機能についても簡単に整理して投稿する事にしました。
1.利用上の留意事項
① Thunderbirdの設定
68系の設定は、メニューバーの Ξ→設定→設定 と選択していくと設定windowにたどり着きます。
78系の設定は、メニューバーの Ξ→オプション で設定Windowにたどり着きます。
78系の設定Windowの左端に設定カテゴリがあり、これを選択して各設定を行うようになっていますが、この構成が68系とは異なります。
概ね、78系の設定構成は68系と比較して以下のようになっています。
・78系の”一般”→68系の”一般”+”表示”+”詳細”
・78系の”編集”→68系の”編集”+”添付ファイル”
・78系の"プライバシーとセキュリティ"→68系の”プライバシー”+”セキュリティ”
・78系の"チャット"→68系の"チャット"
・78系の”カレンダー”→68系の"カレンダー”(68系ではLightning add-on(カレンダー機能)を入れていますのでこれを入れていない場合は68系ではカレンダーの設定項目は表示されません)
ただし、68系の"詳細”に含まれる、”証明書”設定に関しては、78系の”プライバシーとセキュリティ”に移動しています。
78系では従来のLightning add-onはadd-onとしてサポートしていませんが78系の標準機能(カレンダー機能)として統合されています。
上記設定構成を押さえておけば、78系の主な設定内容は、68系の設定内容とほぼ同じですので、設定上そう困る事はありません。
② Add-on(Google calendarとの同期)
68系のadd-onの主たるものは、サポートされるadd-onの仕様変更のため、ほとんど78系で使用できません。例えば、google calendarとの同期を図る場合、LightningとProvider for Google Calendar add-onを使用しますが、Provider for Google Calendar add-onは現状78系に対応していないため、Lightningとgoogle calendarとの同期を行うために、この方法が使えなくなっています。
このため、現在の所、78系に統合化されたLightningとgoogle calendarとの同期を図るためには、google calendarの設定にて表示される”iCal形式の非公開URL"を用いて、ThunderbirdにてCalendarの新規作成を行う方法が考えられます。
ただし、この方法だとThunderbird側でカレンダー書き込みができない旨のメッセージが出てきますので、当面の間、78系に対応するGoogle Calendar Tab add-onを追加した方が実用的です。(Thunderbirdのメニューバーに表示されるgoogle calendar tabを押下すればgoogle calendarがThunderbird内で起動します)。
↓
↓
これは変わりました。68系では・・
1行1アドレス、CCとかBCCの切り替えは左ボタンクリックで・・という感じでしたが・・
78系では、デフォルトで宛先(To)のみ指定可能で、1行に複数アドレスが指定可能となり・・
2.新機能
1)外観
①ダークモード
Windows10をダークモードにするとThunderbirdもダークモードになります。
②メールアイコンの色の変更
例えば受信トレイアイコン等の色を変えられます(受信トレイアイコン上で右ボタンクリック→プロパティ→以下”アイコンの色”押下で色を変えられます)。
2)セキュリティ強化
78.2.0からのエンハンスとなる予定ですが、end to end encryptionがadd onでは無くThunderbirdの標準機能としてサポートされます。
3.最後に
今回意図せず、Thunderbird 78.xにアップグレードする事になってしまい、最初は各設定機能のあり場所が変更されていて、試行錯誤の状態でしたが、ようやくなれたかな・・という感じです。add-onを多数使用している場合は、78系に引き上げてしまうとドツボる事が想定されますので、アップグレードする前にadd-onが78系でサポートされているか(ほとんど従来のadd onはNGですけど)を確認後、その代替策を考えた方が良いと思います。
無論しばし68系に留まるというのも選択肢の一つですので、アップグレード(新規インストール)は慎重に(^^;。
コメント
コメントを投稿