Budgie 10.5の日本語入力環境を検証する By Ubuntu Budgie 19.10 ! 〜 Solus 4.1 v.s Ubuntu Budgie 19.10ってどうなの?


前回Solus 4.1を検証した後、何か嫌な予感がして・・。考えてみれば、Budgie 10.5の日本語入力環境の検証はUbuntu baseで行っておらず、行ったのは、Ubuntu Budgie 18.04.2・・Budgieデスクトップのバージョンは10.4の頃が最後。。

Ubuntu Budgie 19.10のBudgieエディションは、10.5。Solus 4.0と同じエディションですが、さすがに、昨年10月にリリースされたのでSolus 4.1よりはちょっと古い。 ただし、10.5.1と10.5の差はそう大きくないため、やはり一度、Ubuntu Budgie 19.10を使ってBudgie 10.5の日本語Input methodに関して検証しておいたほうがよいかも・・という事で遅ればせながら、今回は、Ubuntu Budgie 19.10を取り上げる事にします。

Ubuntu Budgieは後発のUbuntuフレーバーであり、設定に関しては、フレーバーの中で難易度は高くなっています(設定項目が豊富という意味で・・)。アプリケーションの日本語化については日本語指定でインストールすれば、残処理の必要はなく、ただし、日本語input methodに関しては、ibus-mozcを使用する場合、Ubuntuと同程度の軽い残処理が必要でした。

基本的に、"Budgieへようこそ”(初期設定・日本語化残処理機能を包含)を使えば初期設定から日本語化残処理までの流れは完了するタイプだったわけですが、このあたりが依然として使用できるかどうかもみていきます。
初期状態において上記"Budgieへようこそ”は日本語化されません

 1.概要

1)ベース:Ubuntu 19.10

2)デスクトップ環境:Budgie 10.5

3)カーネル:5.3.0-29-generic


久々にmeltdown/spectre等HW脆弱性対応度も見てみましたが・・サマリーを見る限り問題ありません。

 2.インストール(GPT/UEFIケース)

これはUbuntu baseではおなじみのUbiquityですので、あまり説明はいらないものと思います。いつものように本体・ブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。
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アプリケーションの日本語化に関しては、上記インストールプロセスの中で完結します。

 3.初期設定&日本語化残処理




1)初期設定

初期設定は"Budgieへようこそ”を使って行います・・が、これが起動される前にシステムアップデート・アップグレードのお誘いがデスクトップ上に表示されますので、このお誘いに乗ってしまいます(笑。
"今すぐインストール"ボタンを押下
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次にその他の初期設定を行っていくわけですが、以前と比べて”Budgieにようこそ”画面がデスクトップ上に表示されるのが遅すぎます。待てない場合は、メニューから起動しても構いません(ぐらい遅いです)。。
Getting Startedに初期設定が含まれます。これを選択・エンターキー押下
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初期設定等項目が表示されます
初期設定等項目の中で"Post-Installation"が初期設定項目となります。
この中で必須実施項目は、”Updates & Extras"、”Drivers"(Intel標準のグラフィックスを使用していない場合等により必須)、"Language & Input"です。

Updatesに関しては既に実施してしまっていますが、他、restricted extrasをインストールしたい場合は、”Updates & Extras"から行います。

"Drivers"は、インテル以外のグラフィクス等特殊なHWを使用している場合にのみ必要なタスクです。

"Optional Tasks"では、バックアップやfirewall機能のインストール、ユーザーアカウントの設定を行う場合に必要です。

 2)日本語化残処理

日本語化残処理は、"Language & Input"を使用します。

ただし安定性に難ありという結果となっています。


 問題:"IBus is active now"ボタン、"Fcitx is active now"ボタンが押せない

このボタンを押下する事により、日本語input methodの切り替え(fcitx-mozcとibus-mozc)が行えるように見えますが、ボタンを押せないって言うのは(^^;。。

デフォルトでは、ibus-mozcがOnになっており、Mutterベースなので、これでいいか・・とも思いましたが、いつものやり方を行っても、"EN"モードがでてくるはずはない設定にしているのにもかかわらず、login後初めて半角/全角キーを押下した際、必ず、"ENモード”を経由しないと、Mozcの日本語入力モードに到達できない状況(login後初回の日本語入力モード切り替えの際は、"半角/全角キー"を2回、押下要って事です)のため、いくらgnome系と相性が良いibusでも今回は☓です。これだと、Solus 4.1の時のように、login直後にibusの日本語入力モードにする設定のほうがまだましかも・・( ^^ ;。

このため、筆者はfcitx-mozcに切り替えて使用する事に決めました(笑。ただし、以下 "Language & Input"画面からは、本設定はできませんので、とりあえず以下では、"Complex Input"の"Japanese"をインストールするのみに留めています。

fcitx-mozcへの切り替えはターミナルから、im-configを投入して・・(language supportも使用可能ですので、これを使っても構いません)。
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logout/loginでfcitx-mozcによる日本語入力が可能となります。


Solus 4.1のibus-mozc設定上の問題は、"IBusの設定"→"全般”でシステムトレイにアイコンを表示する”にチェックをつけてもパネルにiBus indicatorが表示されない所で、これによりmozcの手動選択(最初1回だけ)ができなかった所に起因するんだけど、そもそもBudgie 10.5の段階で、ibus-mozcの設定に難があるような( ^^ ;・・。

とにかくUbuntu Budgie 19.10に関しては、若干手動設定は必要なものの、fcitx-mozcに切り替えて使ったほうが無難です。

 4.Solus 4.1 v.s. Ubuntu Budgie 19.10

1)システムベースの最新性

これは、カーネル、Budgieのエディション共にSolus 4.1の勝ち

2)初期設定、基本設定の平易性

若干煩雑だとは言っても、メニュー形式でこれらを実行できるUbuntu Budgie 19.10の勝ち

3)日本語入力環境設定

設定プロセスの手間だけを見た場合、Ubuntu Budgie 19.10の"Language & Input"がバグってるため、そんなに変わらないかもしれません。

4)日本語入力環境の出来

結果だけを見ると、fcitx-mozcが使えるUbuntu Budgie 19.10の圧勝(Ubuntu Budgie 19.10のfcitx-mozcの出来は◎)。ibus-mozcの出来は双方いまいちなので互角。

5)Budgie Applet

これは量的にも、Ubuntu Budgie 19.10の圧勝です。
Ubuntu Budgieにインストール可能なBudgie appletの一部
ただ、これらを利用し過ぎるとシステムリソースの消費量が増えます。

6)システムリソース

login直後のメモリ消費量に関しては、Solus 4.1の方が少ないため、Solus 4.1の勝ち。

総合的に評価すると・・・国内で使用するならば、最新Budgieを搭載するSolus 4.1よりもUbuntu Budgie 19.10のほうが平易性・機能性(日本語入力環境fcitx-mozcを含む)の観点でオススメって事に落ち着きます。

5.評価

Ubuntu Budgie 19.10の評価ですが・・

機能性:A+、安定性:B、軽快性:B、インストール・初期設定・基本設定の平易性:A、日本語化残処理の平易性:B+

となります。

Ubuntu Budgieは、Ubuntuフレーバーとして最後発であり、各機能が滞りなく動作するかどうかという点で一部難があります。あと2ヶ月程度で、Ubuntu 20.04 LTSとそのフレーバーがリリースされてくるこの時期に、Ubuntu Budgie 19.10をオススメする理由はないですが、デスクトップの出来はスマートで俊逸であり、KDEに匹敵する機能性を有しています。若干長い目で見る必要はありますが、少し手を入れるだけで、完成品としては◎の出来のデスクトップに仕上がります。2ヶ月後のリリースに迫ったUbuntu Budgie 20.04 LTSに期待といった所でしょうか・・。

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