Windows 7 サポート終了 ~LinuxはWindows7の乗り換え対象となりうるのか?・・

Windows 7のサポート期限2020年1月14日がやってきました。。そしてWindows 10ではなくLinuxに乗り換えては?・・という内容が更に拍車をかけてインターネットを飛び交うようになっていますが・・。

その大きな理由として・・

1)基本的に無料

2)Windowsよりも消費するシステムリソースが少ない
→古いCPUを搭載したPCでも動作可能

3)Windowsよりも外観の設定等柔軟性が高い

4)アプリケーションの品ぞろえも◎

5)WineによるWindowsエミュレーション機能の搭載、Windowsアプリケーションとの互換性を高めたアプリケーション群(Libreoffice等)の搭載

等があげられますが、特に1)、2)、5)あたりをWindows 7からLinuxへの乗り換えを勧める理由として取り上げるケースが多いようです。

ただ・・勧める方は、無論、勧められた方の都合を考えるわけもなく(笑。とどのつまり、使う側がどのようなLinuxの使い方をするのかに依存するという原理・原則は変わりません。もっと明確に言えば、使う側のPC等利用目的に依存するという事になります。本利用目的に沿って、Linuxを使用し、その結果を見てWindowsはもはや要らないという結論が出るようならば、Windows7からLinuxへ乗り換えてもかまわないという事となります。

たとえば、ZorinOSは割にWindows replacementとして紹介されるケースが多いのですが、外観をWindowsに似せられるものの、中身は、Ubuntu+Wine。。機能性も結果的にWindowsと同一であるわけもありません。外観や機能性がある程度Windowsと似せられるからと言って、Linuxを勧める側が、Windowsが無くてもLinuxがあれば大丈夫・・とは無論言える話ではありませんよね(笑。。なぜならば、Linuxを勧める側と勧められる側のPC等利用目的が同一であるとは限らないため、一般的に勧める側がLinuxだけあればOKっとなっても勧められる側がOKにならないからです。

ではWindows7からLinuxへ乗り換える事ができるのはどういう場合なのか・・という話題が出てくるわけですが。。比較的WindowsからLinuxへ移行しやすい方というのは無論いらっしゃいます。

例えば、

・今までWindows環境で、Linux環境でも同様に提供されているアプリケーションのみを使用して事足りるようなPC等利用目的の場合→Chrome、Firefox、Libreoffice、Thunderbird、GIMP、VLC等を使用していて、これらで全く困らない方・・・。

・ビジネス上、MS Officeは必要だが、MS Office Online程度のオフィスsuiteの機能性があれば十分という場合で、他は1)と同様な方。

・印刷環境も文章等印刷さえできればいいやって方。ただし、お持ちのプリンターを使うにあたって、プリンタードライバー等印刷環境が当該Linuxで構築できる場合に限る。他は1)、2)の条件を満たす場合

上記のような場合には、Linuxへ移行したとしてもそう困ることはないものと考えられます。いわゆる自宅でメールの送受信や、webブラウジング、オンラインアプリケーションの使用(ただしLinux側でサポートされているWebブラウザーにて動作が確認されているオンラインアプリケーションのみで事足りる場合に限る)のみを行っている場合等は比較的移行しやすいカテゴリーに入ってきます。

移行先としては安定性の高いUbuntu LTS版(長期サポート版)か、UbuntuフレーバーのLTS版とすれば、日本語入力も、アプリケーション等のメニュー等の日本語化もインストールさえすればOK・・となり、Linuxを使い始めるにあたってそう困ることも発生しません。

移行先として、Debianや、Arch系をお勧めしないのは、設定時にある程度の深い技術レベルが必要となる事があるためです。

さて・・いざ移行するとなった時は知っておくべき前提条件があります。これは前述した移行する事を一般的に勧めている理由・項目単位で以下に投稿していきます。

1)基本的に無料

LinuxはWindowsと違って無料で使用できる面は、利用者側から考えれば非常にメリットが高いものと思います。反面、有償のWindowsやそのアプリケーションと比較すれば、問題発生時の対応力やそのスピードは期待できません。ここは自分でなんとかできる・・という能力が必要となります。また多くのDistributorは、開発や維持を利用者からの寄付でなりたたせているケースが多いのも事実です。無料だから・・ではなく、利用者自身が使用しているLinuxに価値があると感じているようならば、当該Linux Distributorに対し、当該Linuxの維持・サポート・改善の体制を維持していただくために、些少なりとも寄付をする事は極めて重要な事項となります。

2)Windowsよりも消費するシステムリソースが少ない

これはLinuxの大きな特徴となっています。いわゆるWindows10がまっとうに動作しない古いCPUを搭載したPCでも軽快に動くデスクトップ環境を構築する事は可能です。

ただし、meltdown/spectre等に対するHW脆弱性緩和策が適用されない場合、すなわち脆弱性緩和策が施されたCPUマイクロコードが提供されないぐらい古いCPUを搭載したPCを使用する場合は、個人情報や、機密情報の漏洩にさらされる事となります。

主にはサーバーに対する攻撃が多いとは考えられますが、自分自身を守るために、少なくとも、Intelや、AMDで緩和策が適用されたCPUマイクロコードが提供されない場合は、PCの買い替えを検討すべきだと思います。

3)Windowsよりも外観の設定等柔軟性が高い

これはメリットでもあり、デメリットにもなります。自分好みのデスクトップ構成を実現するためには、それなりの技術力が必要となります。これは使っていく中で自分でインターネットで調べてやってみる・・みたいな興味が持続できる方には◎の特徴となります。
インターネット上で最も情報が多い、Ubuntu LTSや、Ubuntu LTSフレーバーを移行先として選択するのは、この観点で意味があると思います。

4)アプリケーションの品ぞろえも◎

膨大なアプリケーション、ツール、ライブラリのインストールが可能です。様々な用途に対応可能・・というのがLinuxの大きな特徴となっています。反面、自分のPC等利用目的に沿ったものってどれっ?・・という所では探すのに難航するっていう事にもなります。これもまた、情報量の多いUbuntu LTSや、Ubuntu LTSフレーバーを移行先として選択すれば、インターネット検索により探しやすくなります。

5)WineによるWindowsエミュレーション機能の搭載、Windowsアプリケーションとの互換性を高めたアプリケーション群(Libreoffice等)の搭載

Linux/UnixにおけるWindowsエミュレーションの歴史は長く、商用では今は亡きサンマイクロシステムズが開発したWABI(Windows Application Binary Intreface)がその起源となります。現在のWineはかなり精度・性能はあがってきたものの、現行のWindowsアプリケーション・ツールがすべて動作するものではありませんので、期待しすぎるのは禁物です。また、Libreoffice等、MS Officeとの互換性をうたったアプリケーションもありますが、互換性が完全・・というアプリケーションは存在しません。おのずと非互換部分があるという事を認識して使用する事が重要です。

Windows 7のサポート終了・・2020年1月14日がついにやってきましたので、今回は”乗り換え対象のLinux”という題材で、ほぼ文章のみの投稿にしてみました。乗り換えができるかどうかは、利用者ご自身の利用目的と、Linux使用にあたっての前提条件によるっていうのが結論です。筆者の場合は使い分け・・という発想で、Windows10とLinux双方を使用していますけど・・。

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